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明日、陽はふたたび

明日、陽はふたたび

DOMANI/TOMORROW

106

bakeneko

5.0

ネタバレ明日へ向かって!

1997年9月26日にイタリア中部ウンブリアを襲った大地震直後を生きていく人々を、小中学生の子供の視点を中心に描いた作品で、“どんな状況でも成長していく子供たちの生命力”と、“非日常的環境で浮かび上がってくる大人たちのヒューマンドラマ”を女性ならではの繊細なタッチで見せてくれる傑作であります。 まず、ヨーロッパでトルコと共に地震大国であるイタリアでの、地震への対応の日本との違いに驚かされます。 揺れが来たらまず、屋外に逃げる!(百年以上も前に石で建てた家ですから屋内に居たら圧死します)、 地震の復興は遺跡の復元が人命よりも優先!(文化局が真っ先に乗り込むのは居住区ではなくて史跡―国民は納得しているようです) など、ところ変われば常識も変わることに驚かされます。 そして、実際に地震の直後に取材した記録より、 異常な環境でも、旺盛な生命力で日常を喜怒哀楽で彩りながら伸びていく子供たちを、真摯で優しい語り口で魅せてくれます(特に思春期の女の子の感情の瑞々しい捉え方は女性監督ならではの感性の煌きを感じさせてくれます)。また、周囲の大人たちも丹念に描かれており、母親(何とオルネラ・ムーテイ♡)、先生、壁画修復師などの心理や人間ドラマも、大人側の世界を見せてくれます。 日常が崩壊した世界でも、子供たちは元気に育っていき、人間の内面は揺るがないことを見せて勇気つけてくれる作品であり、同時に非常時によって露呈される“人間の奥にしまわれているもの”も垣間見せてくれる映画であります。 丹念に描きこまれた人間&児童ドラマファンにお勧めの佳作で、特別出演に大臣役で、パオロ・タビアーニ監督の姿も見つけることができます。

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