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K-19

K-19

K-19: THE WIDOWMAKER

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4.0

再視聴で並々ならぬ事態の重さを深く再認識

一回目が2011.3.11前の視聴。その時でも何となく事の重大さは肌感覚的に伝わってきたような気はしたし、映画的にも見ごたえありという印象は残っていた。 今回は福島メルトダウン水素爆発を体験済みでもあり、その後に原子力関連や原子炉清掃員の過酷・悲惨さを綴った書籍などを片っ端から読んだ記憶が残っていたので、知性的にも感情的にも深い感慨が生ずることとなった。 とは言っても、スタートしてから英語圏役者を用いた英語劇には正直ズッコケたし、リーアム・ニ―ソン出てたんだとか記憶漏れの大きさにも自身呆れ返る。 その勘違いの最たるものは主役ハリソンフォードが「アメリカ人将校としてソ連潜水艦に乗り研修視察する」という、なんでそうなるのか自分でも理解できない記憶違い。笑 ※いろんな何かとごっちゃになっていたのだろう。 そんなしょーもない話はさておき、メルトダウン寸前の原子炉を冷却する配管を溶接する作業の場面は、浴びた放射線量の強度という点で状況は全く異なるが日本で起きた「ウランバケツ混合事件」のそれを彷彿とさせ、その場にもし自分がいたと想定すると、放射線で体中がズタズタに破壊されるのが分かりきっていながら、溶接を続ける他なかった作業者たちの心的・肉体的状況は全く想像を絶する。※ウランバケツの方々は余りの苦しさに「殺してくれ」と懇願していたらしい。 原子炉内部清掃の使い捨て労働者もペラペラの作業着を着て停止した原子炉内部に潜り、信じがたいことに手作業で各部を清掃するとのこと。 ゴーグルは熱ですぐ曇り、中には暑さと苦しさに我慢できず顔面マスクを外し、原子炉に残っている放射能化した水を飲んで被ばく、程なく死亡というケースもあったらしい(これは確か台湾の話)。 内部清掃ではない放射能汚染された配管を切断する工事を請け負った者も足に悪性腫瘍が出来て後に切断。(日本の電力会社、放射能汚染の件を何も教えず作業させた) 正直のど元過ぎればでそういった書籍の記憶も忘れかけていたので、本作を見てそれらを思い出せたのは良かったと思う。もうすぐ3.11から10年経つんだなぁと。 ソ連ロシアにはチェルノブイリとK-19(もっとあるだろうけれど)、われわれには3.11と原発クライシスを思い出させる負の記録と遺産はいつまでも残るというわけだ。 3.9の四つ星

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