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ディナーラッシュ

ディナーラッシュ

DINNER RUSH

99

とみいじょん

4.0

NYの一夜を味わう。

巷では様々なことが起こり、いつもと変わらぬもの、変わるもの。 そして、人は生き、死に、歴史が作られる。 生き馬の目を抜くような栄枯盛衰の移り変わりが激しく、その為なら何でもありの、煌びやかでギラギラの最先端なNYその雰囲気。 その対極にありそうな、イタリア系のファミリーが醸し出す、家族・親族的な繋がり。 その塩梅が心地よい。 いきなり人が殺される…。 よくあるマフィアの抗争劇? と思っていたら…。 え?レストランに来る客と、厨房・フロアーで働く人、オーナーの群像劇? 次々に繰り出されるエピソードに、話が拡散してしまうのではと思ったら、 ストーンと、そうくるか(ニヤッ)。 マフィアとの攻防、店の主権、従業員の生き様、客あしらい、恋のさや当て… とっ散らかりそうな話題を幾重にも振りまく、 この話どうでもいいやというエピソードと、あっけにとられるシーンと、ギャンブル・ギャングがらみで、この先どうなるのだろうと緊張感を持続させる手腕が見事。 基本、映像は店から出ない。 厨房・スタッフの部屋・テーブル・入口・バー、トイレ…。出たとしても、店からちょっと抜け出し、外の空気を吸って、内緒の…。 だのに、映像の角度・人々の表情、光、色…で飽きさせない。 一触即発。 ウードの甘ちゃん度、 ダンカンのダメっぷり、 バーテンダーの洒脱な会話と気配り…。 あっちで、こっちで、あっちも、こっちも…。 エネルギッシュな喧騒に、高揚してくる。 音楽や実際の音が、臨場感あふれてて、スタイリッシュで、一夜の贅沢な一夜を満喫させてくれる。  いや、ここにこの音楽あわせるか?特に後半…。 そしてこれらのエピソードの軸になるルイスの存在が要。 アイエロ氏ならではの、あったかさと危なさ、安定感、洒脱が絶妙。  『レオン』の時も、いい味出していらしたっけ。 頭の上の蠅の追い方が秀逸。 息子への継承にあたって、一番大きな問題は自身の手で解決するけれど、多少の試練を残すところが、心憎い。 息子の力を信じているんだろうな。これくらいはこなせるだろって。  甘ちゃん全開の、ウードの途方に暮れたような顔がかわいい。  清濁併せ持ち、酸いも甘いも嚙み分けるルイスとの対比。 それにしても、バーって敷居が高いけれど、あんなバーテンダーがいるバーなら通ってみたくなる。

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