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ザ・コア (2003)

THE CORE

監督
ジョン・アミエル
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  • みたログ 2,837

3.06 / 評価:792件

目に見えるものだけが「真実」とは限らない

  • ken******** さん
  • 2021年3月29日 7時20分
  • 閲覧数 602
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

「地球は決して、安寧の地ではない。」

地球の赤道面での直径は 約 12,756.274 km
一方エベレストの標高は 約 8,848.86 m

単位を揃えると、それぞれ約 12756.27kmと8.85kmで、その比は約 1/1441。

直径12cmのボールで例えると、0.008cm、つまり 0.08mm の微粒子に過ぎない。
地殻も約50kmとすると直径の 約 1/255、つまり 0.47mm で、文字通り「殻」でしかない。
(…計算、合ってます?)


しかし、この映画にも「直接描かれていない」数多くのメッセージが隠されている。


目に見えるものだけが「真実」とは限らない。
「身内」で足を引っ張り合っていては何も生まれない。
迫り来る、より大きな危機に気づかず、足下を掬われてから大騒ぎするのは、いつの世も同じ。

…さて、この場合「身内」とは、家族や友人や同僚に限った事だろうか?

せっかく「地球規模」という分かりやすいヒントがあるのに、そこに気づかないとは勿体ない。



「終末予言者」の言葉を借りた物騒な発言を紹介しよう。

『人類が滅んだら困る人、誰か、いる?』

お分かりだろうか? …恐竜が滅んで困ってる人、誰かいますか?

気づかないうちに「バリア」が剥がされ、一瞬で「レンジでチン!」となるのは、なにも地球と太陽に限ったことではない。
自分・家族・家庭、また企業・行政・国家…と置き換えてみると、やがて世界の真実が見えてくる。


「ピンときた」
「運命がやって来たようだ」
からの

「息をするより簡単さ」
「あんた 鈍そう」
である。

つまり「解る人には『判る』」、「知ってる人は知っていた」という象徴は、昨今の情勢を見極めれば、ある意味予言が的中したとも言える、人類の普遍的な未熟さを鋭く指摘した裏テーマ。


この映画が「非科学的」という理由で低い評価を挙げてしまう人は、「ハリウッド映画」とアメリカ映画の違い、そしてシャトルの制御システムの事も知らないのだろう。

では一方で、翼があるのに腕もあるドラゴンや、猫耳なのに人間と同じ耳もある亜人には、同じフィクションなのに同様の違和感を抱く人がどれほどいるだろうか?

目の前にあるはずのネットで「アンオブタニウム」の意味すら調べずに批評する人が多い、という証拠とも言える。


「国が異変に気づき、危機を察して再び教授に解説を依頼した」
「軍が正確な状況を分析し、飛行士らの善行を正しく評価した」

言葉の意味を調べた人なら、このシーンこそが「真のフィクション」なのだと気づくだろう。

あの不時着であと僅かでも市民や建造物に実害が出ていたら?
…事実は同じでも結果は違っていた、と、今の日本人なら容易に想像できるはず。


序盤シーンで「まだ結論は出ていない」のに『軍事攻撃でないなら(国民がどうなっても)問題ない』と話を切り上げたのは、「表面的な情報だけで軽率な判断を下し、問題の根底にある真実を見極めていない」という揶揄であり、見方を変えれば、それは国や行政、企業や個人の失態だけでなく、昨今のネット社会で出自が不明な断片的な情報を鵜呑みにして非合理的な言動に走ったり、ネットニュースの巧みな標題加工や印象操作、企図された偏重報道とは知らずに炎上に加担する人々への警鐘とも取れる。


着陸の機転やハッカーの涙も、若者賛歌。
現状を嘆くだけで投票にも行かず、自ら招いた結果である政治家を一方的に批判するだけで、建設的な意見を挙げる人は少ない。
その傍ら、ネットで「『自分よりも』弱い者」を見つけては、喜び勇んで吊し上げに勤しむだけでは、世界は何も変わらない。
未来の発展は、老い先短い政治家だけの責任ではないのだ。


人生の勉強、つまり真の「知識」とは、人から教わるものではない。

あなたはオーロラを見て「お空がキレイ」と喜ぶ「子供」の側か、それとも持てる知識を総動員して一瞬で異常事態を見抜き、警鐘を鳴らす『行動』に出ることができた「教授」の側となれるのか。

このシチュエーションは一つの喩えに過ぎない。
そして「科学」や「理論」や「シミュレーション」など、所詮は現時点で人類が辿り着いた程度の、現時点での最善策に過ぎない。良かれと思って開発された技術や思想が、どんな結果をもたらしたか。歴史を見れば同じような過ちが繰り返されるのは、誰にも止められないのだ。

「人類が地中に潜ったのは…」の台詞に鑑みれば、たかだか10数mかそこらの堤防で「絶対安全」を宣伝していた企業と、それを妄信し続けた国や国民に、その姿が重なる。

それを我が身に置き換えて、この映画に隠された真意をどう読むか、それが映画という存在そのものの意義とも言える。

それに気づけば、ここには記載していない台詞や、明らかに違和感だらけの後半各シーンがそれぞれ何を象徴しているのかが「見えてくる」だろう。



無知や思い込みが原因で、悲しい思いをする人たちが、少しでも減ることを願って・・・。

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