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スズメバチ

スズメバチ

NID DE GUEPES/THE NEST

108

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5.0

ネタバレフランス製アクション映画

ストーリーはパリ祭の夜、裁判を控えたマフィアの親玉を護送中の警察隊の車列がマフィアの手下に襲われ、かろうじて襲撃を逃れた護送車が逃げ込んだ先の物流倉庫で強盗中の強盗団と鉢合わせとなる。外部との通信も不可能な状況下で、親分奪還を目論む多数の敵に包囲された倉庫の中の強盗団、警察隊員、倉庫の警備員達は無事、生き抜いて朝日を拝むことができるのか・・・といった所で主人公たちが密室的な状況に陥るという点では、以前にもあるパターンかとは思います。 映像の美的感覚は自分に合ったもので、銃撃戦のみならず、強盗団の倉庫の侵入の際の夜の暗がりなど見ていいな、と思うシーンは自分にはありました。(その辺は個人的な好みの問題という所もあるとは思いますが。) また登場人物たちにはそれぞれ過去に相当なことがあったのだろう、と推察こそされるけど事細かに語られることのないシーンが随所にみられます。(「もうパクられたりしねえよ」とトラックの中で緊張する相棒に話す強盗団のメンバー、「どうして消防士をやめたの?」という同僚の問いに答えない倉庫の警備員、シングルマザーの特殊警察隊員、見事なテクニックを披露する強盗団の元軽業師と性的暴行の被害に遭った過去を持つ強盗団の女性メンバー) 特殊警察隊員達がマフィアの親玉を輸送機から護送車に移動させる際に目出し帽をかぶる、というちょっとした行動のシーンがありますが、強盗団が倉庫侵入の際にマスクをかぶる、倉庫内に侵入してくる敵が暗視装置を被っている、という「かぶりもの」が多く出てくるシーンがこの映画の中で描かれるのは人間というのはそれぞれ何かしら背負って、人生を生きているのでは、というメッセージが込められた象徴的なシーンに自分には見えました。(だからと言って性的暴行や武装緊縛強盗が社会通念上、許されると言う話では当然ありませんが。) また強盗団、警備員、特殊警察隊、と利害の全く一致しない、それぞれのグループから人的損失を出して、ようやく一致して困難な状況にあたろうとするという筋書きもなかなか人間という生き物らしいリアルさがある、脚本だと思います。 ラストはちょいと腑に落ちませんが、登場人物たちも丁寧に描かれているフランス製アクション映画、御覧になってみるのも宜しいかと思います。

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