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フレイルティー/妄執

nom********

4.0

あなたの人間は、大丈夫ですか。

DVD発売当時、悩んだあげく購入を見送った本作。 (低予算とか日本未公開とか単館系って案外高価格で尻込みする) レンタルでいっかと思ってたら、その後見かけることなく、 あっちゅー間に10年程経ちました(笑)。 で、去年たまたまブックオフで900円で売ってるのを見かけたのだけど、 900円出してまで欲しいかどうかと言われれば、 そうでもなかったので500円に下がるまで待とうと思い(←ドケチ、でた!)。 しかし当然そんな簡単に下がるはずもなく早1年(笑)。 900円よりは安く済みそうなオークションとか宅配レンタルとかあろうけど、 そこまでして観たいかどうかと言われれば、 そうでもなく(←メンドクサガリ、でた!)。 で、つい先日実家帰った際レンタルショップ寄ったら、あ り ま し た! やはり田舎はイイ!100円でレンタルできた、やったー! ってミミッチイな、マヂで。 『フレイルティー/妄執』 全米を震撼させているテキサスの連続殺人事件。 犯人は必ず現場に「ゴッド・ハンド(神の手)」という文字を残していた。 ある嵐の夜、事件を担当するFBI捜査官ドイルの元に、 フェントンと名乗る男が訪ねてくる。 彼の証言は「ゴッド・ハンドは自分の弟、アダムである」というものであった。 ドイル捜査官は疑いつつも、フェントンの証言に耳を傾ける。 そしてフェントンの証言は、彼ら兄弟の少年時代まで遡り。。。 連続殺人を題材にしてますが、殺害シーンなどの直接的な描写は 全くと言っていいほど無く、血も余り映しません。 精神的に恐怖を煽る演出が巧いです。 低予算ということもあろうけど、ソコをうまく活かし、 鑑賞者の妄想の力でぐいぐいと引き込んで行きます。 フェントンの語る過去は、父と兄弟の三人の話になるのですが、 この三人の関係性がよく考えられていると思います。 ある程度価値観が形成されている大人(父)と、 どちらかと言えばまっさらな子供(弟)と、 その中間の多感な時期の子供(兄)、それぞれの 家族に対する想いなどが丁寧に描かれていて。 母は次男を産んだ際に他界しているのですが、 妻の存在が父にとって何となく「心の拠りどころ」だったのかなと思うと、 少し悲しい話ではあります。 ホラーというよりは、サスペンス・スリラーといった感じで、 一時の「どんでん返し」が必殺技のよーに乱発された映画に馴染み深い方なら、 なんとなくラストは想定の範囲内になると思われますけども。 それでも、「秀逸だなあ」と思ってしまうのは、 この映画が扱うテーマにピッタリハマる 「どんでん返し」だからではないでしょうか。 映画そのものが大きく印象を変えました。 今の時代、人間関係において自由度が増した分、価値観も多様であって。 昔ほど社会に明確な「物差し」が存在しない今、 物事の善し悪しを判断するとき羅針盤とするのは 周りの人の価値観だったりするわけで。 自分以外の多様な価値観を取り入れて、「物差し」をつくって行く。 社会的地位のある人が云う事が正しいのか? 親の云う事が間違っているのか? それって真実なのだろうか。 目の前に説得力のあるモノを出されると、 簡単に印象を変えてしまう自分って。。。  あなたは何を、信じますか? そう問われているんだろうか。 ヒトって、複雑で、簡単で、脆くて、ほんと、恐ろしい。

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