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フレイルティー/妄執

一人旅

5.0

00年代サスペンスホラーの隠れた傑作

ビル・パクストン監督作。 神からの使命を妄信し殺人を繰り返す父親に翻弄される兄弟の行く末を描いたサスペンスホラー。 俳優として活躍した故ビル・パクストンの初監督作品で、常軌を逸した父親役として出演も兼務しています。知名度こそ少ない映画ですが、2000年代サスペンスホラーの隠れた傑作であります。 テキサス州で発生中の連続猟奇殺人事件を捜査しているFBI捜査官:ドイルのもとに、事件の犯人が自殺した自分の弟:アダムであると告白する謎めいた男:フェントンが現れて、被害者達の遺体が埋められているとされる薔薇園に向かって二人は車を走らせるが―という現在の状況と、その車中でフェントンがFBI捜査官に語る、神からの使命を信じ人を殺し続けた父親に育てられた兄弟の少年期(1979年~)の回想シーンを交互に映し出していきながら、やがて過去から現在に繋がる驚愕の真実が明らかにされていく技巧派の一篇となっています。 先読みを許さない二転三転する展開と衝撃の結末に唸らされる作品で、シンプルな殺人捜査物という表向きのサスペンス劇の中からやがて全く別テイストの真相が浮かび上がっていく作劇に、本作の脚本を手掛けたブレント・ハンレイの独創性を見出すことができます。 ネタバレ厳禁ですので前情報を一切入れず鑑賞することを強くお勧めしたい逸品で、スティーヴン・キングが作り出すような不条理・不可思議な世界観がお好きな方には相性がいいと思います。

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