ユーモレスク

HUMORESQUE

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ユーモレスク
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)

悲しい20.0%絶望的20.0%ロマンチック20.0%切ない20.0%知的20.0%

  • gar********

    4.0

    ジョーン・クロフォード、円熟の熱演

     ポール・ボレイ(ジョン・ガーフィールド)は、幼い頃にヴァイオリンに魅了された。母のエスター(ルース・ネルソン)にヴァイオリンを買ってもらった少年は、みるみるうちに上達し、天賦の才を発揮するようになる。成長したポールは、リサイタルを開こうとするが、金が無い。そこで友人でもあるピアニストのシド(オスカー・レヴァント)の進めで、資産家のライト夫妻が主催するパーティーに出る。そこで「ツィゴイネルワイゼン」を演奏した彼は、ライト夫人のヘレン(ジョーン・クロフォード)の援助を受けるようになり…  サイレント時代から活躍し、ガルボやディートリッヒと並ぶ名声を獲得したジョーン・クロフォード。1930年代は、ファッションアイコンとして華やかなスターぶりを披露した人です。しかし、そんな彼女にもいわゆる「加齢」に伴うイメージチェンジの時が来ます。そんな40代のイメージチェンジを印象付ける作品がこの『ユーモレスク』になります。  まず、この映画のおもしろい所は断然ジョーン・クロフォードとジョン・ガーフィールドの演技合戦でしょう。かたや舞台を中心に活躍する演技派、かたや生き馬の目をくりぬく世界をサヴァイヴしてきた大女優です。まさに映画のなせる業、息詰まるようなシーンが展開されます。そしてその演技合戦を彩るのが、ヴァイオリンの調べ。ガーフィールドが演奏しておらず、名ヴァイオリンニストと言われたアイザック・スターンによる演奏になっています。映画のタイトルでもあるドヴォルザークの「ユーモレスク」も素晴らしいですが、ヘレンとポールが出会う場面で奏でられるサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」など名曲揃いです。個人的に最も素晴らしかったのは、ラロの「スペイン交響曲」とビゼーの「カルメン幻想曲」の場面です。前者は、ポールの晴れの舞台でヘレンやポールの家族が見守る中演奏されます。その時のヘレンの表情は、まるでポールに愛撫されているよう…ヴァイオリンの絡みつくような調べが愛の陶酔を見せつけています。この場面の何と官能的なことか。そして後者は、夫と離婚が決まったヘレンがポールへ知らせるために、彼がリハーサルをしているホールへやってくる場面。カルメンの「ハバネラ」の旋律が、印象的なこの曲は恋に夢中になるヘレンのときめきを表現しているようです。しかし、リハーサルの合間に彼に「逢ってほしい」というメモを渡したのに、ポールはそのメモを懐にしまい、リハーサルを続行します。その後のヘレンの悲しみの表情は、忘れがたいです。  そして、この映画で忘れていけないテーマがあります。それは、「母と女の相克」です。常に冷たい目でヘレンを見る、ポールの母エスター。この母親は、まさに息子を文字通り「愛して」います。この母とヘレンの女の対決にも注目です。  「愛」と「音楽」の相克を描いたメロドラマ。ジョーン・クロフォードの円熟の演技が光る良作です。  

スタッフ・キャスト

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基本情報


タイトル
ユーモレスク

原題
HUMORESQUE

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
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