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六月の蛇

六月の蛇

A SNAKE OF JUNE

77

kor********

4.0

ネタバレ混沌のブルーフィルム

ずっと押し込めていた自我をなかば強引に開放され、りん子は今までとは正反対の女性へ変貌する。 この結果は良かったのだろうか? りん子の自我とは果たしてあそこまで大胆なものであったのだろうか? 観賞後考えても考えてもわからない。 一つの電話が道朗の命を救い、りん子の自我を開放させてしまうきっかけを作ってしまう。 運命の赤い糸のような甘い言葉とはまったく違う、梅雨の雨のようなじとっとした青い糸。 それは切っても切っても離されないもの。 否定もできない。 なぜなら二人はわかり合うものを持っている。 梅雨の雨が流れ着く先はマンホールの奥に潜む暗闇だけ。 そこには悲しみも喜びもない。 ただそこに行く前に確かめたいことがある。 私たちは今まで一体何をすべきだったのかと…。 監督塚本晋也をはじめとした役者陣の体当たりの演技かつ、それぞれの隠し持つエゴイズムをうまく表現していました。そして混沌とした映像美と、石川忠の怪しくも悲しげなピアノ音楽にとても引きつけられる作品です。

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