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過去のない男

過去のない男

MIES VAILLA MENNEISYYTTA/L' HOMME SANS PASSE/THE MAN WITHOUT A PAST

97

じゃむとまるこ

5.0

人生は温かい

なじみのないフィンランド映画。 たまたま、同じアキ・カウリスマキ「コントラクト・キラー」を観たら、とても面白かった、好みにあったというか、すっかり嵌ってしまった。 そこで引き続き本作を鑑賞。 ヘルシンキに流れ着いた一人の男、突然暴漢に襲われ瀕死の重傷を負うが一命をとりとめるも、過去の記憶を全てなくしてしまう。 彼の周りの人々の決して豊とはいえない淡々とした生活、彼等はごく自然に彼を受け入れ手をさしのべてくれる。 いいなあこのほどよい距離を保ったでも心優しい人間関係。 人生前にしか進まない、生きてさえいれば何とかなるさ。 彼の周りの全てが温かい。 彼を救ってくれた貧しいコンテナに住む夫婦、救世軍の面々に警備員、彼の犬”ハンニバル”! 彼等との会話が示唆に富んでいて、私たちに人の心の温かさを伝えてくれる。 いいなあこんな映画!! 救世軍の中年女との恋、彼女イルマの初々しい姿には思わす胸がキュンとなる、忘れていた何かを思い出させてくてれる。 何もなくとも前を向いて生きよう、人生は温かい。 愛こそが全ての幸せを与えてくれる・・・ 秀作です。 「コントラクト・キラー」に引き続き、音楽がすばらしい。 特に救世軍バンドのライヴシーンには胸が詰まる。 余談ですが カウリスマキ監督は大変な日本びいきなようで 映画ラスト近くに身元が判明し、妻に会いに行った帰りの列車内でのシーン 唐突に主人公は日本酒を飲み、お箸で寿司を食べている、バックに流れる曲は”クレイジーケンバンド” あまりにも無茶なシーンでびっくりしたが、何故か違和感を感じないのも本作の特徴を良く現しています。 名犬”ハンニバル”も名演です。

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