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24アワー・パーティ・ピープル (2002)

24 HOUR PARTY PEOPLE

監督
マイケル・ウィンターボトム
  • みたいムービー 30
  • みたログ 248

3.82 / 評価:33件

理想郷の栄枯盛衰

  • full_frontal6996 さん
  • 2008年8月20日 23時33分
  • 閲覧数 787
  • 役立ち度 16
    • 総合評価
    • ★★★★★

Like a bright light on the horizon
Shining so bright, he'll get you flying

セックス・ドラッグ・ロックンロール+ダンス。

1970年代、不況の最中のイギリス。
小さなブティック『SEX』を営むマルコム・マクラーレンが店の従業員や出入り客を集めて結成させた企画バンド『セックス・ピストルズ』
その出来の悪い出鱈目な演奏や歌、破れ継ぎ接ぎのファッションは、当時の厭世的な空気の中若者の人気を集め『パンクムーブメント』を起こす引き金になった。
そしてそのムーブメントとは別、イギリスの寂れた街マンチェスターで巨大ディスコ『ハシェンダ』が作られ、ロック+ダンスって言う『レイヴカルチャー』が発現する。

監督は『ひかりのまち』マイケル・ウィンターボトム。
インタビューで『知識が無くても面白い映画は面白い』って言ってたけど果たしてそうか。
例えば英国人なら自国の音楽文化の一部だし、そういう音楽をテレビやラジオで聞いていたりもするだろうし、こーいう時代についても詳しく無くても薄らとは知っていたりはするんだと思う。

でも日本人にはどうか?
イギリスの音楽とかに興味が無いなら基本観なくて良いと思う。
個人的にはとても面白いんだけども、自分の場合はUKロック、特にマンチェ/ニューウェーブ/シューゲイザーが大好きだからそういう感性と知識で観た上での『面白さ』かも知れない。
知識も興味も無い人がこの映画をどう見るのかは判らない、ってのが正直なとこ。

個人的にはフジロックのグリーンステージで見たニューオーダーのステージは雨のせいでぬかるんだ地面すら気にならないほど踊って、日本語の『クラフティ』を一緒に歌ったのを覚えてる。
懐かしい。フッキーのベースはやっぱり低かった。

ピストルズ、ファクトリーレーベルの創設に始まり、ジョイディビ、イアンの死、ニューオーダー、ハピマン....いわゆるレイヴまでの黎明期と栄枯盛衰を描いた映画。
狂言回し役はファクトリーレーベルの創設者の一人、巨大ディスコ『ハシェンダ』のオーナー トニー・ウィルソン。

UKロック好き、っつーかマンチェ好きなら間違いなくど真ん中の教科書的作品って言うか、この映画の後に続いて『LIVE FOREVER』を見ると近代UKポップ/ロックシーンの流れはかなり把握出来る。
あとは『さらば青春の光』とか『シド&ナンシー』とか観ると更に良い。
この前だと『ブランクジェネレーション』だとかか。

ベスって言うと、数年前、代官山のとあるハコでイベントをやる事になってプライマルのマニがDJとして来日する事になってたんだけど急に来れなくなって、代わりにベズが来た事があった。
んで、その数ヶ月後にイベントがあってまたベズが来てた。
日本の税関は何やってんだ?って言うか、暇だなぁベズ....。
ちなみに、劇中にホンモノのマニも登場してる。

ニューオーダーのジャケットワークは言わずも知れたピーター・サヴィルなんだけども、かの有名なフロッピーディスク型ジャケットの『ブルーマンデー』発売当時『ジャケットのコストがかかり過ぎてCDを売る毎にどんどん損をする』エピソードとかもきちんと描かれてる。

ピストルズに影響を受け、インディーズシーンで確実に『マンチェスタームーブメント』と呼ばれる一連の流行が興り始め、イビザ島から持ち帰ったドラッグによってバンドが演奏をしないで『DJ』のレコードによって人が踊る『レイヴ』というクラブ/ハウスカルチャーが始まり、『ハシェンダの閉鎖』で終焉を迎える。
マンチェ自体は、ストーンローゼスのスパイクアイランドライブで全盛を極めるんだけれども。

会社をやるにはきちんとした経営をする人間が必要で、確かに『ファクトリー』には天才が存在したんだけども、誰も彼もが『アーティスト』であって『経営者』ではなかった。だから当然利益は追求しないし、損をする。
趣味の延長線上、クラブ活動の極地。
そしてその才能の無駄遣いによって、実世界的に崩壊をきたした音楽的理想郷の物語。
音楽も好い、映像も良い。
素晴らしいし。何回観ても面白い。


日本で歌手の事をよく『アーティスト』って呼ぶけれど、あれって非常に抵抗がある。
あの人たちは『歌手』だけども『アーティスト』では無いんじゃないだろうか。
愛だの恋だの毎度毎度飽きもせずに同じような事を繰り返し繰り返し、手を替え品を替え年中歌ってる連中は『アート』をやってるとは思えないんだが。
『共感』だとか『感動』だとか、甘ったるい曲にのせた解り易い歌詞にリスナーは安易に感情移入してしまうけど、そんな『ジャンクフード』みたいなものは『商品』であっても『アート』ではないでしょう。

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