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パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
8月2日公開

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

PIRATES OF THE CARIBBEAN: THE CURSE OF THE BLACK PEARL

1438月2日公開

hick

5.0

ネタバレ高揚感あるテーマ、興奮の展開と演出。

限られた時間の中で展開がとても豊か。ポートロイヤルでの戦い、カリブの海賊のアトラクションを再現したかのようなトルトゥーガや死の島でのやりとり、海賊船との撃ち合い、船上での決戦。ウィルとエリザベスを物語上の主役として、そこにツイストを加えるジャック。全てが完璧なバランスで盛り沢山に織り込まれている。それでもラッシュ気味のペースにならず、よくプロットが組み込まれているなぁと改めて感じた。今となってはハイスタンダードなディズニー実写だが、大きな流れを作ったのはやはり今作だと思わされる。 ジョニー・デップが今作でアカデミー主演賞にノミネートされていたなんて当時は分からず、知った時には驚いた。エンタメ作品ど真ん中の今作でのノミネートは当時ですら異例だったはず。ただここまでのアイコニックなキャラクターに仕上げたのだから納得。彼の酔っ払い感や、何を考えてるか見せない姿に微かに感じる優しさ(、かどうかは分からないぐらいの絶妙さ)を素晴らしさじ加減で表現している。3部作以降はボケ倒す面が強化され過ぎて少し残念だが…。そんな彼とやり合うジェフリー・ラッシュの怪演も凄い。 一番今でもグッと惹きつけられるのは、やはりハンス・ジマーとクラウス・デバルトの楽曲。どこまでがデバルトのアレンジかは分からないが、ジマー特有のドラムビートに高揚感が溢れる。当時はこの楽曲のお陰で今作が好きになったといっても過言ではない。メインテーマが流れる中の月明かりのクライマックスバトルは、音楽、舞台美術、展開の秀逸さが合わさった名シーン。 ジャックの登場シーンも秀逸。キリッとしたカッカいいジャックを映し、実は沈んでいく船に乗っていたというオチをつける。普通、オチがついたら笑いを誘うコメディーチックな音楽に切り替わる事が多いが、堂々とした壮大なテーマソングは止めない。本人にとってはこれが普通と言っているかの様な演出。彼の性格を初登場のワンシーンで表現していて素晴らしい。 優しさも感じる憎めないジャック、その男に最後までついて行ったウィルとエリザベス、そして「あと一日やろう」とジャックに慈悲を見せるノリントン。その全てのキャラクターがラストで見せる表情や、最後の「ヨーホー」のセリフに完璧なエンディング。そして畳み掛けるジマーの「He's a Pirate」。何回見ても充実感から笑顔になってしまう。 ただ最大のツッコミ所として今思うのは、冒頭で何も確証がないのにターナーと名乗っただけで彼の息子/娘だと決めつけてしまうのはとんでもないリスク…。 映画史屈指のキャラクターを産んだ今作。興奮のストーリー展開、魅力的な演技、高揚感ある音楽、アトラクションから継承したテーマ性、全てが合致した優秀な作品。

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