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アバウト・シュミット (2002)

ABOUT SCHMIDT

監督
アレクサンダー・ペイン
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3.69 / 評価:380件

解説

 アメリカ中西部オマハ。この日、勤め先の保険会社で定年退職の日を迎える66歳のウォーレン・シュミット。彼はこれまで妻ヘレンと今は離れて暮らす娘ジーニーと共に、平凡だが特に不満のない人生を送ってきた。そして次の日から新たな人生を歩むことになる。しかし、翌朝目覚めてみると、シュミットは会社中心の生活リズムが染みついていたせいか手持ち無沙汰になる日々が続いた。そんなある日、妻ヘレンが急死する。そして葬儀の準備に追われるシュミットのもとへ、愛娘ジーニーが婚約者ランドールを伴い戻ってくるのだった…。

allcinema ONLINE (外部リンク)

映画レポート

「アバウト・シュミット」─シュミット氏は暖かさに感動して泣くのではない

こりゃあまるで小津安二郎の映画だ。ただ、はるかに情け容赦のない。

妻に先立たれた老父、そして嫁ぎゆく娘への思い、というと後期小津映画で繰り返された物語。理想と現実の乖離がテーマであるところなど、まるで「東京物語」(53)だ。しかしこの映画に笠智衆を慰める原節子は存在しない! たとえばキャシー・ベイツのクジラじみた裸体なんてニコルソンには嫌悪の対象でしかないだろう。彼を苛む幻滅の数々は、晴れの結婚式に至っても解消されることは決してなく、行き場のない怒りが薄皮一枚下に煮えたぎるスピーチへと凝固していく。

いや、強いて原節子の役割を求めるならば、シュミット氏が(善意で)援助金を送るアフリカの孤児がいる。しかしカネと一緒にゲロのような鬱憤の言葉を投げられ続けた少年は、ラストに至って(悪意もなく)最大のしっぺ返しをくらわすのだ。シュミット氏は孤児から届いた“モノ”の素朴さ暖かさに感動して泣くのではない。それで66年間が報われたといって泣くのでは、断じてないっ! ……ま、アレクサンダー・ペインはそうも受け取れるように巧みに演出しているけれど、シュミット氏の旅を正面から見届けた観客なら、そのドス黒さに慄然とするはずだ!!(ミルクマン斉藤)

みゆき座ほか全国東宝洋画系にて公開中

[eiga.com/5月27日]

映画.com(外部リンク)

2003年5月27日 更新

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