エデンより彼方に

FAR FROM HEAVEN

107
エデンより彼方に
3.6

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(36件)


  • 一人旅

    4.0

    D・サークに愛をこめて…

    トッド・ヘインズ監督作。 1950年代後半のコネチカット州を舞台に、上流階級の主婦の心の揺れを描いたドラマ。 『ベルベット・ゴールドマイン』(1998)『キャロル』(2015)のトッド・ヘインズ監督によるシリアスな人間ドラマの佳作で、ドラマティックな音楽と原色的色彩感覚、ファンション・自動車・インテリア等50年代アメリカの情景を緻密に再現したクラシカルな映像作り、また一つの家族における葛藤と変転に真摯に向き合った作劇は、50年代に上質で泣けるメロドラマの名作を連発したダグラス・サークに対するオマージュを見て取れます。物語の下敷きになっているのはサークの傑作『天はすべて許し給う』(1955)ですが、ヘインズ監督は50年代には描き切れなかった当時のアメリカ社会の禁忌をテーマに取り入れています。 公民権運動が盛んだった1957~58年のアメリカ東部コネチカット州ハートフォードを舞台に、二人の子を持つ裕福な家庭の妻:キャシーが、会社重役の夫:フランクの同性愛を知り狼狽えるが、一家が新しく雇った黒人の庭師:レイモンドだけは傷ついたキャシーの心を優しく癒していき…というストーリーで、50年代ではまだ理解の浅かった“同性愛”と白人・黒人双方においてタブー視されていた“異人種恋愛”に揺れる主人公の苦悩と葛藤を、周囲の人々の偏見の眼差しを織り交ぜながらメロドラマ的映像&演出によりドラマティックに描き出しています。ただし本作で描かれる白人女性と黒人男性の恋愛はプラトニックな関係に終始していて、いわゆる肉体関係に陥っていない点に、50年代当時のアメリカ社会が要求する道徳観と自身の本質的な愛情の狭間に置かれた主人公の、悩み抜いた末の苦渋の選択が表れています。異人種恋愛を本当の男女の仲に発展させてしまうことも可能だったでしょうが、ヘインズ監督はあえてそうはせず、50年代というマイノリティーにとって窮屈だった時代に翻弄される主人公個人の苦悩と葛藤に対して丁寧に焦点を当てています。 主演は名優ジュリアン・ムーアで、彼女は本作の演技が高く評価されヴェネチア映画祭女優賞に輝いています。また脇を固める役者陣も充実していて、妻子とキャリア、同性に対する愛情に揺れる夫をデニス・クエイド、主人公と距離を縮めてゆく黒人庭師をデニス・ヘイスバート、一家に仕える黒人家政婦をヴィオラ・デイヴィスが好演しています。

  • yok********

    4.0

    映像が絵画のように美しかった。

    それを見ているだけでも心地の良い映画でした。 ストーリーも1950年代の黒人への偏見などが巧く脚本で表現されていたし、 何よりも無駄なエロシーンがないのも良かったです。美しく纏められていました。エンドロールの書体もお洒落でした。先進国のアメリカの女性はイメージと違い保守的であると、アメリカ映画を観る度に感じます。

  • hal********

    4.0

    これは好きなやつ

    懐古趣味な私のツボ。 車に町並みにインテリア、何より衣装デザイン、ザ!50年代! 同年代モノで衣装に見応えのある映画にヘアスプレーがありますが、 あちらは可愛い系だったのでこちらのエレガントな感じはさらに好き。 頭の先から爪先まで抜かりなしのトーンオントーン。たまらん。 ストーリーもしっとり当時の「日常」を見せてくれます。 特にマイノリティを扱おうとしたのではなく、 この年代を描いたから当然こうなった、くらいの軽いもの。 50年代ファッションファンは見て損なしです!

  • 柚子

    4.0

    より良き人生を!

    50年代のアメリカ 同性愛は病気とみなされ、白人と黒人の恋愛は許されない時代 一組の白人夫婦 夫は同性愛者 妻は黒人の庭師を愛してしまう 当時のマイノリティな人々の生き辛さ 切ない どちらか一方の問題を描いたなら、もう一方は、ただ責めるだけだろう 夫婦どちらも、当時のタブーを破って、時代を変える第一歩を踏み出す 彼らに、幸多かれと、祈らずにはいられない

  • nyj********

    4.0

    アメリカの黒人と白人の歴史を知る悲恋映画

    総天然色映画のような雰囲気でノスタルジックに作っているのが良い。あれ、いつ作った映画だろうと思って観ていると物語がどんどん進んでいく。1957年当時のホモの見られ方、黒人に対する差別、この背景での求めてはいけない愛の姿。不倫ではないのに蔑視されてしまう女性をしっかりと演じているジュリアンムーアに拍手したいと思う。

  • fg9********

    4.0

    ジュリアン・ムーアの演技が素晴らしい

     …あらすじは、解説のとおり。  1950年代、アメリカ上流階級の二人の子持ちの主婦(ジュリアン・ムーア)が、ある日、夫(デニス・クエイド)の信じられない場面を目撃することから(夫がホモセクシャルだった)、人生が一変してゆく。  そこに、彼女が唯一心を許せる黒人の庭師との話が絡まり、人種差別の要素も加わってストーリーは展開してゆく。  映像的にもレトロ調で大変美しく、エンディングは哀しいながらも、難しい環境・時代を克服して生きてゆくジュリアン・ムーアの演技が素晴らしく、なかなかの佳作となった。

  • tk********

    2.0

    欲張りすぎ

    メロドラマに差別の要素を組み込んだ作品。 人種と同性愛に対する差別を扱っていますが、主人公の片一方はOKでもう片一方はNGという主義に同調できません。 一方では差別主義者であることに気づかず、終始『かわいそうな私』の主人公に感情移入出来ず終いでした。 結局、収拾がつかず全ては『時代のせい』で落ち着かせるならテーマをどちらかに絞ったほうが良かったのではないでしょうか。

  • jac********

    4.0

    ネタバレメモ

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • もこ

    3.0

    ネタバレ時代が切り離す

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • nny********

    3.0

    950年代の映画へのオマージュ

    ドアを開けたときの太陽光の出しぐあいなど、もろ1950年代の映画へのオマージュ、衣装といい、現代風な複雑な絡みを捨てた単調なピアノの間奏曲といいしっとりとした映画でした。 黒人の彼も人格者だな^^)、クエイドも「オールドルーキー」などよい配役に恵まれていますね

  • gag********

    5.0

    偏見の強い世知辛い時代

    黒人を二グロだのニガーだのと平気で言っていっていたり、ゲイへの偏見も酷かった時代。 黒人やゲイの方にはさぞ世知辛い環境だった事がよく伝わってくる。 庭師の黒人が「24 -TWENTY FOUR- 」のパーマー大統領を演じた役者で、今作でも醸し出す雰囲気がとても素敵でした。 ジュリアン・ムーアも品のあるマダム役が良くハマっていて、夫の問題と庭師との体裁に悩まされる心情を巧く体現されていた。

  • はるや 小檜山想

    5.0

    美しい絵のかたちを見た

    CGを駆使して作り込んだどぎつい「色使い」。当時の上流階級の生活を再現したという触れ込みのこれまた派手な「コスプレ(衣装)」と「美術」。ジュリアン・ムーアの抑制のきいたというかドスのきいた「低い声」と控えめながらすごみを感じる「演技」。その人工的な「美しさ」に食傷する人も多いでしょうが、わたしは感心しきり。主人公のスカーフが、まるでその後の展開を象徴するようにひらひらと宙に舞うお約束的といえばあまりにわかりやす過ぎるシーンにも、すっかり目を奪われてしまいました。ジュリアン・ムーアが好きなんですね。

  • ひゅう助

    5.0

    この胸に芽生えたのは友情?それとも愛?

    舞台が1957年だからなのか、終始50年代を意識した「画作り」が特徴の本作。かなり地味な映画ですが、なぜか最後まで飽きずに見ることができました。 黒人差別やゲイに偏見があった1957年の秋。キャシー(J・ムーア)とフランク(D・クエイド)はおしどり夫婦として新聞に取り上げられるほど、円満な家庭を築いていた。しかしある日、フランクがゲイであることがわかり、次第に円満な家庭は崩壊していく。それと並行して、キャシーは庭師のレイモンド(デニス・ヘイスバート)と「友人」として仲を深めてゆく。しかしここにも、黒人差別の風潮が訪れる・・・。 なんしか、この独特の空気感がいいよね。50年代を意識した画作り、50年代のホームドラマのような展開。 そして黒人差別とゲイという、当時としてはセンセーショナルな事柄を描くことで、見る者の興味を引き付ける。ありふれた題材だが、こういうものは何度見ても深い関心を得るのだ。 ラスト、電車に乗って遠くへ行くレイモンドを見送るキャシー。その時、彼女の胸に広がる感情は何だったのか。友情の喪失?それとも愛の喪失? 役者陣の素晴らしい演技も相まって、傑作となった本作。いつか見てみてはいかがでしょうか。 ☆はかなり迷ったけど、役者陣の熱演に負けて、☆5つにしよう!

  • kak********

    2.0

    1957年の結ばれない愛の行方は?

    この作品で主演のジュリアン・ムーアはベネチア映画祭最優秀主演女優賞受賞を含む世界の15の主演女優賞を獲得した。 しかし、注目すべき俳優はTVシリーズ「24 TWENTY FOUR」の黒人大統領を演じているデニス・ヘイスバードだ。 彼のスケールの大きな演技は、ここでも光っている。普通ならば、純粋な心で素直に行動し傷つくヒロインを応援するのだろうが、それを受け止めても、自分の気持ちは抑えて冷静に対処していく男の姿に感動した。 何不自由ない生活から一転全てが逆流するような事態になったら、あなたは強く逞しく生きていけるだろうか? 究極の愛のドラマに酔うより、その後の彼女の生活はどうなってしまうのか気になって醒めてしまったというのが実感である。

  • oce********

    4.0

    報われぬ主婦

    見事な色使いと50年代の空気。 根強く残る人種差別と夫の好奇心。 これだけそろった大人のドラマであれば、ジュリアン・ムーアの独断場なのはしょうがない。 まだ幸せというものを表面的なものでしか捉えていない50年代のアメリカ。 黒人と付き合うなどタブーだし、ゲイというものが歓迎されない時代。 その禁じられたことが家庭で起きていたというところにドラマが生まれる。 メロドラマのような展開だが、主婦を演じるジュリアン・ムーアがとにかく巧い。 表面は華やかそのもだが、実は裏では底冷えしているという事実を見事に体現している。 ラストシーンの絵画のような場面は、古き良き時代の終わりを告げている。

  • gor********

    4.0

    違う世界に関わった代償

    50年代後半のまだ差別や偏見が普通に残っていたアメリカで、 裕福な家庭がふとしたきっかけで瓦解していく様子を 描いた作品です。 今では考えられないほどの、 人種や同性愛差別が時代によって、 こうも人の心を翻弄させるものだったんだということが、 改めて考えさせられますね。 なんでこんなに人の噂話が好きなんでしょうかね。 問題提起の多い今作ですが、 ちょっとその踏み込みが足らなかったかなあ。 どうも黒人にしろゲイにしろその描き方がステレオタイプ的で、 結局は無難なところに落ちついちゃったかなー。 ムーア様の50年代レトロファッションの着こなしは、 とってもよかったですよ!

  • いやよセブン

    5.0

    息苦しかった50年代のアメリカ

    色彩のコーディネートが素晴らしい映画で、秋のコネチカットがとても美しい。 キャシー(ジュリアン・ムーア)は上流階級の専業主婦だったが、夫のフランク(デニス・クエイド)がゲイだと知る。 庭師のレイモンド(デニス・ヘイスバート)は黒人だったが気さくに何でも話せた。 1957年のアメリカはゲイなんてとんでもない、黒人差別は当たり前という時代だった。 リベラルなキャシーだったが、周囲からのイジメはすさまじく、友人も離れていき、結局、自分で生きていかなければならない。 この窮屈な時代が特異な色彩で語られ、主演のジュリアン・ムーアが素晴らしい存在感を示す。

  • aya********

    3.0

    理解するには10年早すぎたかも、、、。

    多分、10年~15年後くらいにもう一度観たら、感じるべきものを感じられるんだと思う。まだ20代前半の私には伝わるべきものが伝わってこない。今の時点でこの映画を観て、レビューを書いて評価をしていいのかも良く分からない。でも、10年後にまた観た時にこう思っていたんだなぁって思えるために一応書いておこう。 キャシーとフランクは理想的な夫婦。安定感いっぱいで、金持ち、子持ち、幸せ、、、持ち。の様だが、実はフランクの秘密によってその安定感は揺らいでしまう。秘密を偶然知ってしまったキャシーはどうする事もできず、いつしか心優しい庭師のレイモンドに癒しを求め始める。しかーし、この時代は人種差別が未だに激しい1950年代。キャシーとレイモンドの関係はもちろん噂され、友達だと思っていたママ茶会仲間は皆冷たい目で見る様になってしまう。ナイーヴなキャシー、、、世の中世知辛いねぇ。 こういう内容は、キャシーと共感したり、キャシーに感情移入ができない人(私)が観ると、なんでキャシーはこんなにダメなんだろう?って冷静に観てしまう。夫の秘密を知っても、辛くても、子供達の為にもそのまま生活を続ける事が必要なんじゃないですか?そして、そんな簡単にレイモンドに心を開くのはどうなの?自分は人種差別などしない!っていうのも、どうしても奇麗事にしか見えない、、、。この時代であの世界に生きるのならば、群れる事が当たり前で群れる事が「幸せ」なはずなんでしょう? って、見方をするのが間違っているんだろうな。キャシーが「妻とはこうであるべき」という事に苦しみ、悩み、乗り越えようとするのがこの映画のポイントなのかな。夫と家族が全てな彼女にとっては、それが今まで偽りだった事を知っただけで、自分が壊れてしまう、、、そこで救いを求めるのは仕方無い事なのかな。現代の世の中では「女が強すぎる」って言われているが、いつからそうなったんだろう?でも、こキャシーは一見どうしようもない弱虫に見えるけど、本当に弱い方がフランク、、、だよね。昔っから「妻」という生き物は強くないとやっていけないものだったのかな? とまぁ、色々考えるわけです。そういう事を考える事によってこの映画のよさを理解できるんでしょうね。 で、全く別のことですが、この作品はカラフル。物凄い色使い。人間がどんなに情けなくても、世界自体は色あせてないというわけでしょうかなぇ? 「ベボルーショナリー・ロード」を思い出させる映画でした。1950年代の白人社会は興味深い題材なのでしょうか?

  • hir********

    2.0

    やりすぎ。

    上流階級の家庭の物語。 時代背景は人種差別が公然と行われていたアメリカ。 主人公の妻は、偏見なく、黒人とも公平につきあう。 それが周囲の批判をあび、子供が仲間はずれにされるイジメにあったりする。 ただ、嘘っぽいな、と思うのは、この主人公の行動はあまりに進歩的すぎるのだ。 特に本人は、問題意識からあえて黒人と親しくするというよりは、あっけらかんと親しくなった黒人の庭師と黒人専門のバーに行く。そこには多少の逡巡があるものも、好奇心と人の良さが勝っちゃう感じ。 大体、当時、黒人の庭師と対等の立場になれるなどありえない。 まして上流階級の住人なのです。 風潮として、厳然とした差別があるのに、主人公はまるで、そんな常識があるとは知らないかのよう。 自分の行動により、周囲の批判が起こってくると、初めてとまどい、黒人と距離を置こうとする。 娘がいじめにあって初めてことの重大性にきづく、純粋を通り越して、常識はずれも甚だしい。 リアリティなくないですか? この女性が庭師と親しくなったのはのはこの黒人の魅力からでもあるのだが、これが庭師に見えない。 高学歴のインテリにしか見えない。 別に、庭師の人だって高学歴の人はいるだろうし、精神性の高い人もいるだろうが、この映画の庭師は現役の大学教授みたい。 さらに夫が実はゲイだといううことが発覚し。とさらにもう一つの問題がでてくる。 テーマは差別問題であろうが、人種問題と性マイノリティ問題、それぞれが重いだけに二つも詰め込こまれて、観ててお手上げになる。

  • ink********

    3.0

    凝ってます

    凝ってますねぇ。 制作者の思惑通り、「うわ、いつの映画コレ」とノスタルジックな雰囲気はめっさ出てます。こだわってよく作ったなーって感じ。 ただ、「なるほど~、こんな最近までこういう差別があったのか・・・」  ・・とか、なんとなくそんな感想は持ちましたが、正直面白くなかったです。 元々ラブドラマあまり得意ではないので。(じゃぁ観るなってば) コレ、ハーレクィーンロマンス? って感じで・・・女性向けなのかな・・? 「人と人のストーリー」って観るにはワタシのインチキ・ラブ先入観がどうも邪魔してしまいました。 すみません。 そんなワタシには星2つ。 24の大統領デヴィッド・パーマーは、やっぱりデヴィッドでした(笑

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