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幻影拳 ザ・マジック・カンフー (1994)

CIRCUS KIDS/馬戯小子

監督
ウー・マ
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  • みたログ 4

1.00 / 評価:1件

ドニー・イェンの無名時代 其の伍

  • lamlam_pachanga さん
  • 2012年6月10日 1時11分
  • 閲覧数 432
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作は94年の香港映画で、多分、香港映画ファンなら相当興味ひかれる映画だと思います。だって、ダブル主演がユン・ピョウ&ドニー・イェン、その共演がロー・ワイコンと聞けば、誰だって至高のカンフー映画を期待しちゃうでしょうから。

でもねぇ、最初に結論書いときますけど、酷い映画ですよ、これ(苦笑)

ここ最近、ドニー・イェンが売れる前のB級映画をレビューしてますが、それらの映画が全く鳴かず飛ばずだった理由は、ドニー本人のキャラ設定の拙さにあります。周囲と衝突してばかりの暴力刑事役ばかりで、観客が全然感情移入出来ないことに問題がありました。逆に言えば、そこをもう少し煮詰めていれば、大成功とは言わずとも、確実にファンを開拓出来たはずなのです。

しかし、この映画は違います。

この映画の問題はキャラ設定云々ではなく、単に映画として粗悪品なのです(涙)

ストーリーはムチャクチャだし、映像は最悪だし、とにかく映画の出来が酷い。香港では90年代前半にバブルが崩壊し、映画産業が一気に斜陽化した背景があります。本作製作当時、既にユン・ピョウはゴールデン・ハーヴェストから離脱しており、製作は自身の個人プロダクションで行っていた時期です。一方のドニーもデビュー以来低迷を続け(笑)、既に後がない状況に追い込まれていました。ユン・ピョウ、ドニー・イェン、ロー・ワイコンの三人が揃いながらも悲惨な出来に終わったのは、要は十分な製作費を得ることが出来ず、“まともな”製作現場ではなかったことの証と言えます。

ストーリーを説明する必要も感じませんが、一応、ちょこっとだけ紹介しときましょう。

日中戦争真っ只中の広州。所属する雑技団の団長(ウー・マ)や仲間(ラム・ウェイ)とともにこの街を訪れた綱渡り名人のトン(ユン・ピョウ)。だが、英国人の鴉片密売組織が暗躍するこの街は、その首領(ベイ・ローガン)と用心棒(ロー・ワイコン)が牛耳っていた。やがて、トンは街の警備隊の隊長(ドニー・イェン)とともに、組織へ立ち向かうことになる・・・。

いやいや、普段はあらすじを紹介する以上はネタバレにならないように気をつけてますが、この映画は別にそうなっても良い気がしますよ。だってご覧になる人の大半が、多分、倍速再生するでしょうから(笑)

あらすじに書いてませんけど、本編に登場する雑技団のガキどもがね・・・ウザイのよ(苦笑)

これ、物語としてユン・ピョウがメインなのか、ガキどもがメインなのか、非常に中途半端なんです。脚本と編集は適当もいいところで、ドニーのキャラなんて、正直、「別にいてもいなくても関係ないだろ」くらいの存在(苦笑)94年当時ならユン・ピョウの方が格上なのは事実として、しかしドニーも既にそこそこ名前が売れてる時期ですからね。ここまでいい加減な扱いを受けるのも、ちょっと納得いかないんですが。

但し、この映画で一番納得がいかないのは、間違いなく誰もが期待するはずのユン・ピョウとドニーの絡みが少ないことです。ちょこっとだけ戦うシーンもありますが、期待値に比べれば到底満足とは言えず。加えて言うなら、映画全編におけるアクション・シーンが毎秒ごとにカット割される感じで仕上げられており、はっきり言って、何が何だか分からない(涙)一方、明らかに同年製作された『酔拳2』を意識したロー・ワイコンのキャラは、日本軍によるド派手な爆撃シーンと並んで数少ない見所と言えます。クライマックスのユン・ピョウとの対決も、この映画では唯一まともな演武で、まあそれなりに愉しめました。

しかしねぇ、監督経験豊富なウー・マにしてこの出来と言うのは、私には解せません。しかも彼はユン・ピョウの盟友と言うべき存在ですからね。単に製作費が確保出来なかったにしても、同時期の『ワンチャイ外伝/鬼脚』や『黒影-ブラック・シャドウ-』と比べても、この映画は酷い。問題の武術指導にしても、ユン・ピョウにしろ、ドニーにしろ、ふたりとも熟練者なんですよ。それが何故、ここまで無残な出来になったのか。

貴重なユン・ピョウとドニーの共演作なのに、この結果は本当に残念。この映画を観た時、私はとにかく落胆し、製作者への怒りに震えたことは今もはっきりと憶えています(笑)

映画自体はとてもお薦め出来る代物じゃありません。

それでも挑戦する人を止めはしませんが、ユン・ピョウのファンにしろ、ドニーのファンにしろ、覚悟はしといてください。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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  • 勇敢
  • かっこいい
  • コミカル
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