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恋愛寫眞 Collage of Our Life (2003)

監督
堤幸彦
  • みたいムービー 92
  • みたログ 1,257

3.29 / 評価:266件

芸術家の名前

  • モルゲンロート さん
  • 2019年5月6日 14時31分
  • 閲覧数 125
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

以前から見たかった今作を見ました。

広末涼子とNY、あとは素敵な写真の数々を見る為の作品、でした。

どんな映画にもいい部分は必ずあるーー って
こないだ見た素晴らしい映画の中に、そんな台詞があったんですが、
かといって、それが
映画としての良さや評価には決して結びつかない、ものなんだと
今作で知りました。
広末の美しさも、NYのお洒落な街並みや写真も、そんなもの映画としての
素晴らしさに繋がっていなければ、何も意味を持たないものだなって。

NYへ行ってから、無知なのか馬鹿なのか、はたまた自信家なのか
軽々しく危険地域を歩き回っては、恐ろし気な輩たちに絡まれ殴られ、
それでも逃げるでもなく勇敢に立ち向かおうとする松田龍平くん。
その平然とした振舞いのリアリティのなさ。
しかも彼が目を開ければ、ご親切な方々により安全な場所で介抱されている。
優しい街、NY。
そんな奇跡が何度も起き、何度もつっこみながら
それでも我慢して視聴続けてきたけど、
最後の最後に堪忍袋の緒が切れた。

ラストーー
亡くなった彼女になりかわり、彼女の名前で自分がカメラマンとして
生きていく、という。
しかも、彼女の作品も当然自分の作品として。(それはそうなりますわね)

それはないでしょ。いち芸術家として。

どんなに彼女を愛していようと、彼女と共に生きていこうと決心しようと
誰か別の人間の作品を、自分のものとして生きていける芸術家が
この世にいるんですかね。
いるなら、その人、もはや芸術家なんかじゃないです。

芸術家にとって、作品とは、自分自身であり、自分以上のものです。
それはどんなに愛する人の作品であっても、決して交われない
自分1人の、孤独なものなんです。自分で責任を負うものなんです。
自分でしか負えないものなんです。

亡くなった彼女があの世から見て、
自分の名前で生きる彼を、どう思うんでしょう。
自分の名前で作品を世に出す彼に、エールを送りますか?

彼女が本物の芸術家であるなら、
彼自身の名前で生き、彼自身の名前で作品を発表していって欲しいと
心底願うに違いありません。
自分の名前を残してくれてありがとう、とはならないですよ。
それが芸術家としての矜持です。

彼にとっての彼女への愛のかたちが、
恐らくこういうかたちだったんでしょうが、
私はそれは愛ではないように思えました。
少なくとも芸術家同士の愛ではーー。

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物語
配役
演出
映像
音楽

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