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灰の記憶

灰の記憶

THE GREY ZONE

109

dud********

5.0

ラストシーン、「灰の記憶」が胸に沁みる。

本作の邦題、「灰の記憶」って付けた人はすばらしい。 「灰」とは何のことか、説明するまでもないだろう・・・。 作中でも何度も「灰」が出てくる・・・ ホロコースト映画は多く見ましたが、絶滅収容所における「民族の殲滅」工程を、 ここまであからさまに映像化した作品は初めてだ。 つまり、スシ詰め列車→収容所→ノミ取りシャワー(もちろんあの用途)  →火葬場→「灰」・・・・。 これらをゾンダーコマンドと呼ばれる同じユダヤ人作業者が、完全感覚麻痺状態で (というか人格を捨てないとやってられないだろう・・)延々と行うこの映像。 先日観た「カティンの森」も凄まじかったが、本作はそれをも超える映像だった。 一昔前の映画館は、同時上映が当たり前で、2作品同時に観れたものだったが、 もしこの2作が同時上映だったら、観客の半分はポテトとかポップコーンを 胃袋から「戻し」ていただろう・・・ さて、あらすじにもあるとおり、同胞の処理を黙々と行うゾンダーコマンドたちと 奇跡的に一命を取り留め、彼らに匿われた少女たちの運命を綴ったこの作品。 実在の人物で、本作重要登場人物のユダヤ人医師・ニスリの手記を基にして 製作されたとのこと。映像化されている焼却炉の暴動も実際の事件らしい。 ゾンダーコマンドや少女の彼らの運命が過酷なものに なっていくであろうことは容易に想像されますが、 ホロコーストの犠牲者数百万人の、灰となった彼らの「記憶」が、 空に、川に、そして海に流れ、現代社会にも語り継がれていることは、 世界平和を実現するための大いなる遺産になったと云わざるをえまい。

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