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灰の記憶

灰の記憶

THE GREY ZONE

109

roc********

2.0

製作費不足?

レビューの評価も良く、同胞をガス室に送る「ゾンダーコマンド」というユダヤ人を、 実話をもとに描いた映画ということで期待していたんですが、 映画全体のリアリティのせいで、その世界に入り込むことができませんでした。 リアリティが全てではないですが、それがずれていると(特に歴史を扱う作品で)、 どんなにいい映画でも一気に冷めてしまう。 一番気になったのは、収容所の人達の見た目。 健康そうな体型や肌の色、ほころびのない洋服、新品のような皮のジャケット。 さらに、机の上に並ぶおいしそうな食事や、大量のタバコ。 しかし、「アウシュビッツ」で画像を検索すると、 ボロボロの服を着て、ガリガリに痩せた人達の写真が出てくる。 僕自身も、ドイツにある強制収容所のいくつかに行ったことがあるが、 そこで読んだ資料には、「石のように硬いパンと、ほとんど味のしないスープしか与えられなかった」と書いてあった。 軍曹を含めたナチス兵の振る舞いに「恐怖感」を感じなかったし、 銃撃戦のシーンは、出来の悪い刑事ドラマを見ているようだった。 あまりのぎこちなさに「ちゃんとしたエキストラを雇えなかったのかな?」 と思ってしまった… どっちが正解とは言い切れないが、 ・終戦間際で物資が不足している状況 ・ユダヤ人を家畜のように扱うナチス ・人類史上最悪といわれる強制収容所での生活 という事実を考えると、どうしてもリアリティがあるようには見えない。 そういう部分は一度気になると、他のシーンにも伝染してしまうので、 絶対に気づかせない心意気で、リアリティを追求して欲しかった。 リアリティがあるからこそ、戦争を怖いと思うし、理不尽で無意味なことだとわかる。 個人的にすごく興味のある話なので、お金をかけて丁寧に作った作品で見てみたい。

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