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灰の記憶

灰の記憶

THE GREY ZONE

109

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4.0

ナチ収容所毒ガス室の悲惨さに絶句!

無名に近い作品であり、よほどの映画マニアでないと題名も知られていないと思います。 しかし、第二次大戦中のナチスによるユダヤ人虐殺を描いた秀作でかなりの評価が付けられる作品だと思います。 ナチの絶滅収容所運営に協力(死体修理など現場の最も凄惨な仕事をする)し、その見返りに生命を保証されたユダヤ人”ゾンダーコマンド”のメンバーと彼らを指揮するナチ親衛隊のSS軍曹(ハーベイ・カイテル演じる)が主人公です。 絶滅収容所で素っ裸にされた多数のユダヤ人の老若男女が「これからシャワーを浴びる」とだまされガス室で虐殺されてしまいます。 そのシーンのリアルさ、凄惨さ、そして衝撃には言葉を失うほどです。 まるで自分が実際に現場に居るなのような緊迫感です。 「シンドラーのリスト」や「戦場のピアニスト」で描かれた凄惨なユダヤ人虐殺シーンに匹敵する演出であり、ナチによるホロコーストの実態を知るには絶好の作品だとも言えます。 虐殺されるユダヤ人側の描き方はもちろん、虐殺する側の親衛隊SSの隊員の描き方も大変優れています。 凄惨な現実から逃避するためアルコールに溺れる、SS隊員も人間として限界を超える状況に追い込まれていた事がよく演出されています。 出演者で名前を知っていたのはハーベイ・カイテルだけでしたが、他の出演者も押さえの効いた演技で作品を引き締めます。 戦争や歴史に興味のある方は必見な映画です。

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