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座頭市 (2003)

監督
北野武
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  • みたログ 4,086

3.78 / 評価:794件

昭和が生んだエイリアン

  • uqj***** さん
  • 2018年12月3日 14時04分
  • 閲覧数 1013
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

欧米では当初からやたら大絶賛されてますけど、まあ非常にある意味、
{ 狂った }
時代劇と言ってもいいんじゃないかね。

観て、
決して損はないと思いますが。

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最近の、ロンドンを舞台にした
「インビジブル 暗殺の旋律を弾く女 (2018)」って作品が
こないだまで公開されてましたが、
多分この北野作品を参考にした脚本じゃないのかな。

・・

クライマックスでの、市がその正体をあらわすところとか、
完っ全に狂ってますね。 完っ全に。
ええ加減にせえよホンマ。 
いやホンマに。

そもそも金髪の人斬りなんているわけがないし、たけしはいったい、
何をしたかったんでしょうか ?

こういうのもし、勝新さんが観たら怒ってるよね、絶対。 激怒するよね。

ミュージカル要素とSF要素みたいなもんを
かなり無理矢理に・強引に作品内に混ぜ込んじゃってて
かなりとんでもない滅茶苦茶なカオス作品に仕上がってますしね。

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殺陣については非常に大胆にCG技術をふんだんに使ってて、
かつカメラワークと編集も徹底的に細部まで作り込んであって
物凄いスピード感ととんでもない切れ味が
堪能できます。

映画版「るろ剣」シリーズ以前の時代では
こういうCG剣術の表現としては史上最高峰のもんだと思います。

まあ斬られた直後のコンマ何秒のCG使った出血のタイミングなんかは
もうちょっと工夫しても良かったんじゃないかとは思いますけど、
この当時としてはあれでかなり画期的な
アクション演出だったんでね。 当時としてはかなり驚きだったですね。

私はこの殺陣のシーンが観たいがためだけに公開当時、
結局三回も観に行っちゃいました。

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まあこういう天才監督が一番、
「自分というものの扱い」に困ってた時期なんでしょうな。
自分って物の天才性に自分自身が破壊されそうになってたんでしょうな。

で、ラストシーンにああいう、
得体の知れない・自分自身でも持て余して苦しんでいる

「ビートたけしという、体内に寄生したエイリアンみたいな物」
 
         の必死の絞り出し。
      を、おこなっているのだと思います。

これも他のかずかずの北野作品と同じく、
「作品内自殺願望」
のあらわれではないかな。 

すぐ自分にピストル向けるもんね、この人。

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後半のミュージカル要素も、まああれもたけし特有の
ゲイ的なアレじゃないかと思います。
「キッズリターン」の自転車のシーンとか
「3-4X10月」での渡嘉敷さん襲うシーンとか
やたらそういうの多いもんね。

そっち系の男の人って結局ゲイバーのショータイムみたいなものに人生ごと、
行き着いちゃう部分みたいなのがありますからね。

そういうものの噴出が止められない表現欲求として湧き上がって
あのリヴァーダンス的なタップの撮り方に
現れてるんだと思うんですね。

あくまでも従来のハリウッド的なタップダンスの撮りではなくて、
非常に90年代以降的な、あくまでも
「リヴァーダンス的な」
撮りにしてあるのが非常に特徴的だと思います。
じぶんでも昔からタップやってるわけだし。

結構あのダンスシーンが欧米では決定的に評論家受けしてるんだけど
まあ、あれはどう考えても作品内でのアンバランスさが突出してるし、
50~60年代によくあった喜劇的時代劇への挿入だったらまだ分かるけど
こういうマジで血ミドロの時代劇に突然ああいうシーンが出てくることの
異常さ、ってのは
もう少し言及されてもいいんじゃないか、とは俺は思いますけどね。

時代劇とは言え、ここまでリアリズムで血にどっぷりと濡れた表現の
バイオレンス映画からああいうシーンへの切り替え、ってのは
狂気以外の
なにものでもないと思うんだがなあ。

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全体的にフェリーニ的なカオスに満ちあふれていて、
はっきり言ってメチャクチャなエーガなんですが

たけしという、昭和が生んだ一人の
偉大な「エイリアン」が抱える
{内的な自殺傾向カオス}と{爆発的な天才性}を
味わう、というベクトルで対峙すれば


まあ、そこそこは憂鬱な気分で
楽しめるのではないかな、と。

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