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座頭市 (2003)

監督
北野武
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3.91 / 評価:799件

なんでこうなっちゃうんだろう。

  • taku さん
  • 2019年3月11日 21時13分
  • 閲覧数 1178
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

ピストルと刀の違いは、ピストルは素人が持っても引き金を引けば人を殺すことができる。しかし、刀で人を殺す場合はそれなりに鍛錬を重ねた者でなければ殺せないと司馬遼太郎の本に書かれていたのを思い出した。映画における演出でも同じことではないだろうか。

現代劇での北野武の銃撃戦の演出は、生と死が日常シーンの中に常に一緒にいるような感じがとてもリアリティがあり生々しく、恐ろしく、見ている側からすれば画面から目を離すことができないような緊張感がある。しかし、本作に於いては北野監督のそんな部分が全て消されているように感じた。間合いと殺陣の関係をよく理解している監督でなければ生々しい時代劇を撮ることができない。刀を抜く際、勢い余って味方の腕を傷つけてしまうなど、北野監督独特の死生観や斬新な切り口を時代劇に織り交ぜようという姿勢は感じるものの、刀の間合いが無視されている事やチープなモンタージュにより演出が全て陳腐に見えてしまう。蓮實重彦はこの映画の市をETという表現の仕方をしたようだが、そうでも言わないとこの映画を解釈できなかったのではないか。最後のタップダンスや金髪の市など、さも「この映画は普通の時代劇ではない。北野武の斬新な視点で作られた新たな時代劇なのだ」とも言いたげだが、肝心の殺し合いのシーンなどで、か細い腕の男同士がクネクネ、刀を振り回してモンタージュで逃げに逃げられてはただただ興ざめだ。

CGの酷さも目につくが、時代劇にCGが取り入れ始めた最初期の作品と思い目を瞑りたいが、にしても同時期に発表された山田洋次の藤沢周平3部作に比べてもあまりにもCGの使い方がセンスが無さすぎる。

台詞もひどい。時代考証的なことではなく、普段嫌っているはずの説明的台詞があまりにも多すぎる。回想も多いしその導入も随分乱暴。物語としては、その辺にありふれているB級時代劇映画のよう。これまで多くの北野作品を見てきたがこれは個人的にワースト1。

詳細評価

物語
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