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ファイブ・デイズ・ウォー (2001)

THE LOST BATTALION

監督
ラッセル・マルケイ
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3.75 / 評価:15件

「チャンプ」の子役が少佐になってる。

  • 晴雨堂ミカエル さん
  • 2013年9月22日 23時29分
  • 閲覧数 1558
  • 役立ち度 10
    • 総合評価
    • ★★★★★

 70年代の名作「チャンプ」で主人公である零落れた元世界チャンピオンのプロボクサーを健気に慕う子役の愛らしい姿に涙した映画ファンもいるだろう。当時、まだ10歳にも満たない男の子だ。その彼が本作では兵士500人を束ねる30歳前後の若い少佐の役をやっている。(余談1)
 
 本作を観た動機は、その子役だったリッキー・シュローダー氏が主演だったからだ。作品内容自体は、第一次大戦中のフランス戦線であった史実を元に展開しているとはいえ、スタンダードの定番戦争映画である。

 主人公は弁護士が本職なのに軍の法務部ではなく何故か最前線で野戦の指揮を執るアメリカ陸軍少佐、眼鏡をかけた白面の若い指揮官、教養があり上品な物腰なので硝煙と血糊の前線には不似合いなキャラだ。
 上官である師団司令官は無謀な作戦を立てて主人公に命じ、主人公が意見すると「文民あがり」であることを見くびりパワハラする。部下の兵卒たちは少佐の生真面目で几帳面な性格が鼻につき陰口をたたく。ベテランの下士官や将校たちは少佐の存在を奇異に感じている。
 そんな不安材料多々の状況で強力な兵力を固めているドイツ軍の陣営に、援軍があるという司令官の嘘を「信用」して突撃を敢行しなんと奇跡的に戦術目標の重要拠点を占領してしまうのだ。
 
 少佐は努めて冷静で表情の起伏は無い知的キャラだが、行動そのものは大胆でスーパーマン的活躍をする。戦闘中に小銃の扱いで手間取る新兵を見かけると傍に駆け寄り丁寧に優しく銃の操作を指示する。瀕死の兵士から末期の聖書朗読を頼まれると暗記している聖書の一文を唱えてやる。戦闘は常に最前線で自らも戦力の1人となり指揮を執る。
 そんな姿にベテランの大尉も下士官も兵卒も心から少佐に従うようになり、対峙するドイツ軍の指揮官も敬意を抱く。最後の一戦では少佐自ら先頭きって突撃を行い、ベテランの大尉たちが後に続く。
 ラストは連合軍がドイツを圧倒し始め、師団司令官自ら部隊を率いて救援に駆けつけ、少佐を見くびっていたことを改め敬意を込めて敬礼する。
 
 本作はTVドラマとして制作され、映画なみの描写で第一次大戦の戦闘を再現していた。まだ小銃中心で短機銃や自動小銃の無い時代、双方塹壕を掘って睨み合い、頃合いを見て指揮官がホイッスルを吹いて突撃、着剣した小銃を槍がわりに肉弾戦を行う前近代的な戦争だ。泥や硝煙の雰囲気がよく出ていた。
 時代考証も誤りはなく、ドイツ兵たちはドイツ語を話すという凝った造りは好感が持てる。(余談2)

 物語自体はアメリカ賛歌の定番戦争ドラマだが、観て損は無い迫力ある戦争映画である。

(余談1)カルキン君やファーロング君、古くはジュディ・ガーランド氏など、ハリウッドのスター子役には身を持ち崩す者は少なくない。
 その中で、リッキー・シュローダー氏は着実にキャリアを積み重ね、今では映画監督も手掛ける映画人だ。

(余談2)よくある誤りは、ドイツ軍の象徴たる独特のひさしが付いたシュタールヘルム(フリッツヘルメット)を第一次大戦を通じて被っていたり、第二次大戦で使われた小型軽量化された1935年型を第一次大戦で使っていたり、またはその逆だったり。
 実際は大戦前半は19世紀風のデザインであるピッケルハウベを被っていた。頭頂部に角のような飾りをつけ耳の部分が空いたヘルメットである。
 ところが第二次大戦はナポレオン型の戦争から機械化された兵器を使用する現代戦へ移行していく時期でもあり、角の飾りは標的になりやすく、砲弾の破片から頭部や耳を守るに不都合という事で、シュタールヘルムが1916年に採用された。
 このシュターヘルムは16年型と18年型があり、最初の頃は第二次大戦の35年型に比べかなり大きなヘルメットだった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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