10話

TEN

94
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(2件)


  • bakeneko

    5.0

    ネタバレコストパフォーマンスNo.1!

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • pap********

    5.0

    世界の車中から・1

    タクシーの運転手さんって、作家にとって想像力をかきたてる職業なんだろうな、と常々思う。 なぜなら、小説・漫画・映画・TVの二時間ドラマまで、タクシーの運転手さんは様々な媒体によく登場するからだ。主役から脇役まで、その活躍っぷりは縦横無尽。アクション、ヒューマンドラマにサスペンス、ジャンルもなんでもござれの世界。 車の中で起こる人間ドラマは、世界で一番小さくて大きい。 運転手と客とのやりとりで、話はどのようにでも広がっていく。 それをどう「料理」するのかは、作家にとって非常にやりがいのあることなのだろう。 そんな「タクシーの運転手さん」というテーマで、各媒体ごとにリストアップしていったら面白いだろうな・・・と思うが、膨大な量になりそうな気がする(笑) イランのアッバス・キアロスタミ監督は、車中の出来事を十話にわけて描き出した。 この映画を観たのは六年前。調べてみたところDVDは出てないらしい。(製作は2002年) 今日部屋の掃除をしていた時、当時のチラシが見つかったので、それを道しるべに、私自身の頼りない記憶の糸を手繰り寄せながら、この映画をレビューしてみる。 間違いが多々ありそうなのですが、ご容赦ください。 イランの首都・テヘランで車を運転するひとりの女性(マニア・アクバリ)。 彼女が自身をタクシー・ドライバーだと名乗ったかどうかは覚えていない。 離婚したばかりの彼女の車には、息子のアミン(別れた夫の元にいる)や、姉という身内ばかりでなく、老女、娼婦、婚約中の女性と言った様々な立場の女性たちが乗り込んできて、彼女と言葉を交わしていく。 本作は、その「対話」を丹念に追った映画だ。 物語は第10話(息子・アミンとの対話)から始まり、第一話(息子・アミンとの対話)で閉じられる。と言っても時間軸を遡るのではなく、移り変わり行く時と話の番号が逆になっているだけのこと。 物語の根幹は母(主人公)と息子の対話なのだが、合間に女性たちとの会話が挟まることで、主人公の心情にも変化が訪れるのがわかる。 この映画の特筆すべき点は、「女性」に焦点がおかれていることだろう。 はっきり言って、息子のアミン以外に男性は出て来ない。そのアミンもまだ少年なので、「大人の男性」はこの映画にはまったく表れない。 94分の濃密な「対話」の世界。(テヘランの街並みはほとんど出てこなかった気がする。) その中には素敵な言葉、どきりとする言葉、しみじみとする言葉がたくさん登場する。 例えば、老女との対話(第8話)のある一場面。 「人間、身軽な方が幸せに生きられるわ」「死ぬ時は、来た道を戻るだけ」 年を重ねた人ゆえの言葉だな、と感じた。 この映画が10話で始まり1話で終わるのも、それと似た感覚なのだろうか。 死は終わりでもあり、始まりでもある。変化は一つの死を意味すると同時に、一つの生が芽生える瞬間でもあるのだから。 個人的に本作は、いつかDVDが出て欲しいと願わずにはいられない映画のひとつだ。

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