ここから本文です

ルールズ・オブ・アトラクション (2002)

THE RULES OF ATTRACTION

監督
ロジャー・エイヴァリー
  • みたいムービー 21
  • みたログ 132

3.53 / 評価:17件

逆回転していく映画、やり直せない現実

青春の持つ猥雑さ、陰湿さ、残酷さ、悲惨さ。分かる人には分かるであろう、これらの要素がこれでもかとぶちまけられた作品。
ドラッグ、セックス、アルコール、自殺、片思い、同性愛などなど、
様々な問題、悩みを抱えた登場人物たちが、もがき苦しみながら日々を過ごしていく。
そんな彼らの姿を、
画面分割、逆再生、早回しなどのあらゆる映像表現を用いて、
群像的に描いた作品。
見終わった後の感想を一言で表現すると、

Nine Inch Nailsのアルバムを聞き終えた感覚。

NINを知っている人なら分かると思うけれど、知らない人には何のこっちゃだとおもうので、もう少し詳しくレビューしていきます。

ドラッグのディーラーをやっているショーン。
学校内は彼の持ち込んだドラッグで一杯で、
誰も彼もが薬をやっているような状況。
そんな彼の楽しみは、毎日自分の下駄箱に入れられている手紙を読むこと。
紫の小さな手紙には、彼への恋心が一面に綴られている。
名前の書かれていない手紙。

この手紙を書いているのは誰だろう?

ある日、彼は教室の前で女学生ローレンと出会う。
ここでの演出が非常に印象的で、
ショーンとローレン、それぞれが教室の前に至るまでを分割画面で映し出し、
教室の前で出会った二人が足を止めると、それぞれのカメラが二人の側面に回り込んでいく。
そうして互いに向かい合う二人を側面から捉えたショットが生まれ、画面を分割していた中央の線が消えていく。

ぎこちなく微笑み合う二人。

この子が手紙の送り主に違いない。

去り行く彼女を見送りながら、手紙を片手に確信するショーン。

そんなショーンに思いを抱く同性愛者のポールに、ローレンのルームメイト。
ローレンが熱を上げていたヴィクターや、薬に溺れるポールの友人たちなど、
様々な人の思いがグチャグチャに縺れ、絡み合うというよりは、絡まり合いながら物語は進んでいく。
段々と変化していく登場人物たちの立場。
映画の冒頭で逆回しを持って提示された各人の行く末が、
鑑賞者の頭をよぎり、どこか遣る瀬ない思いにさせていく。


若者たちの刹那的な生き方。
強烈な感情。

思いが届かない
もう駄目だ、生きていけない

畜生、最悪の気分だ
そうだ、キメてハイになろう

思いがいつまでも届かずに苦しむ者。
ドラッグに溺れ、生きているのか死んでいるのかも分からなくなっている者。
他人との違いに悩む者。
苦しんだ彼らは、ドラッグ、セックス、アルコールなどに走る。
しかしそれは一時的な逃避にしかならない。
それでも、一時的な逃避だと分かっていても、後悔すると分かっていても、
彼らに見えている解決手段はそれらしかないのだ。





強烈な感情、独特の映像。何となしに見てからしばらく経ちますが、未だに頭を離れない印象的な作品でした。
寝ぼけ頭のぐだぐだレビュー。最後まで読んで頂きありがとうございました。


ちなみにNine Inch Nailsの名前は知らなくても、中心人物のトレント・レズナー氏の名を耳にしたことがある方は多いかと思います。
デヴィッド・フィンチャー監督の「ソーシャル・ネットワーク」で音楽を担当し、アカデミー賞に輝いたのが氏です。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 笑える
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 絶望的
  • 切ない
  • コミカル
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ