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呪怨2 (2003)

監督
清水崇
  • みたいムービー 15
  • みたログ 814

2.82 / 評価:203件

ある意味最強の呪いではなかろうか

  • まつぼん さん
  • 2007年8月8日 18時43分
  • 閲覧数 651
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

前作と比べると、それほど怖くはなかったが、それでも”ヤバい”場面は背筋が凍りつきそうになった。
このシリーズは、何と言っても”怨念”に対してほぼ回避不可能な不条理さが良い。
”あの家”に近付いた者は、例外なく洗礼を受ける。
前作でのラストの場面は、ある意味妥協のない究極的な結末だと言えるかもしれない。

今作は、そのラストからの正統な続編ということになっている。(その割には、いやに平穏な町に見えるが)

前作では、”時系列”をバラバラに描くという演出方法が取られていた。
登場人物それぞれのエピソードが、”演出上”あえて時系列がバラバラにされ描かれていた。
(エピソードを並び替えることで、時間的に一本の筋ができる)

今作は、一見すると前作と似ているが、実は全く異なる描き方になっている。
今作は、”呪怨”の呪いが”時間軸を超越”して人物に作用している。
”演出上”ではなく、”呪いの作用”として、時間軸が乱れている。

これは、考えてみると実はかなり恐ろしい呪いだと思う。
”呪怨”が現れ、恐怖した次の瞬間、なぜか全く別の時間・別の場所に立っており、そこでは平穏な時が流れている。
夢だったのかと一瞬安心するも束の間、次の瞬間にまたもとの時間・もとの場所へと景色が変わり、忘れかけていた”呪怨”の恐怖の真っ只中に立っていることに気付く。
要するに、呪いが時間を超越し、”四次元的”に作用している。

これに気付いたとき、この作品がとても面白くなった。
呪いにより意識が過去へ飛ばされ、以前と同じ”時”を体験するわけだが、本人だけは未来で何が起きるのかを知っている。

”過去にいるはずなのに、これから先に起こる出来事を既に知っている。”
”過去にいるはずなのに、未来の所持品をなぜか身に付けている。”

必死でこれから起こるであろう事態を避けようとするが、どうしてもうまくいかない。
その直後、突然景色が入れ替わり、再び恐怖の一場面へと逆戻りさせられる。

これは悪夢と現実を強制的に行き来させられているようで、想像するとかなり恐ろしい呪いだろう。
また、意味不明な描写が実は伏線であったりと、物語としても深みが増したように思える。

この作品の怖いところに、「どんなに安全だと思える状況でも、例外なく呪いが訪れる」というものがある。
普通ならホッと安心できる場所が、関係なく恐怖の舞台となる。
家に帰って明かりを付けTVを見ているときや、大勢の人と一緒にいるときなど、心理的に安心できる(一般のホラーでは安全圏)な場所にでも構わず呪いが現れる。
大抵、”当人のみ”が感じる形で現れるのだが、中には一緒にいる者全てに対して及ぶ場合もあるのが恐ろしい。
本来関係のない人間まで根こそぎ呪う、まさに無差別的な恐怖だ。

この作品は、制作者が語っている通り、”恐怖”と”笑い”が紙一重に感じられる。
”呪い”の姿かたちがはっきりとし過ぎているため、人によってはギャグにしか見えないかもしれない。
この作品を怖がれるかどうかは、どれだけ物語や雰囲気に入り込めるか、また想像力によるところも大きい。
「もしもこの呪いが本当にあったとしたら」と考えることができれば、これほど怖い話はない気がする。

演出的には申し分がない。
一転してギャグになってしまいそうな素材が、ホラーとして実にうまく描けていると思う。
また、ビデオ版(劇場版の前に制作されたオリジナル版)の方が怖いという話も聞くので、そちらも観てみたい。

主演の酒井法子は上手いのだが、上手すぎて(手慣れすぎていて)、いまいち新鮮さが感じられないところがあった。
恐怖を引き立てる演技が優等生的で、逆に型にはまり過ぎていたように思えた。
演技が多少しつこいように感じられた。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不思議
  • パニック
  • 不気味
  • 恐怖
  • 絶望的
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