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戦場に咲く花 (2000)

THE LAST SUNFLOWER/葵花劫

監督
ジャン・チンミン
  • みたいムービー 2
  • みたログ 17

3.33 / 評価:3件

桃太郎は鬼退治に行って鬼になりました

  • ホアホアール さん
  • 2006年12月14日 21時19分
  • 閲覧数 465
  • 役立ち度 13
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画は地味な映画です。面白いと言えるかどうかと問われれば返す言葉に窮します。でも無視をしたり、馬鹿にしてはいけない作品だと思います。深いのです。

物語は日中戦争下の1944年秋。南満州鉄道のとある小さな駅ではじまります。怪我を癒す為にその駅に逗留して、助役を務めていた日本人将校の菊地浩太郎(緒形直人)の死体が風呂場で発見されます。真相を調べるため日本軍は駅に憲兵の調査隊を派遣します。
菊池を殺した容疑者として駅長と死体の第一発見者でもある駅長の内縁の妻、それに孤児の少年と作業員の計4人の中国人があげられ、彼らは日本の調査隊に理不尽で過酷な拷問を受けます。彼ら4人の中国人は共に暴君のような菊池に対して恨みを持っていて殺人の動機は十分あります。被害者日本人将校、容疑者中国人4名、取調べ日本人憲兵達、通訳日本人に雇われた中国人、で物語は展開していきます。
この映画は日本の軍隊が中国の人々をどのように扱っていたか、そのむごさを垣間見れる作品です。日本人の私が日本軍に憤りを感じてしまう作品です。(もちろんそんな日本兵ばかりではないでしょうが)
私は中国映画の「鬼が来た!」のレビューも書いてますが「鬼が来た」で日本兵達に脅かされている村人達はちょっとずるい所(許容範囲ですが)もあってとても人間的な人々でありました。しかしここで容疑をかけられている中国人達はしごく真面目な中国人達なのです。
この映画の結末は書きませんが同じく「鬼が来た!」のレビューを書いてらしたprime218さんにはこの作品を是非見ていただきたいと思います。(ちなみにprime218さんのレビューの日本軍への希望的観測は残念ながら違っているなあ、と思いましたが優しい気持ちが感じられたので役立ち票をひとつ付けておきました。)
最近NHKで戦中の中国で中国人の刺殺を強要された日本兵士だった何人かのお年寄りのドキュメントを放送していてその日はちょうど民放で「硫黄島からの手紙」の特集がされていたのでめちゃくちゃタイムリーだなあ、と思いました。ある人は上官から男前の中国兵の処刑を命ぜられ、銃剣で血しぶきをあび、嫌な気持ちを抱きながら刺し殺し、ある人は他の日本兵が子供の声がうるさい、敵に見つかると、拝んで子供の命乞いをする母親の目の前で子供を刺し殺した時の事が忘れられず、またある人は日本人と外見のそうかわらない一列に配された中国人達をこれまた銃剣で刺し殺した事を告白しておりました。(記憶違いがあるかもしれませんがご容赦下さい)
「戦場に咲く花」の菊池が中国人に「お前達俺のことを鬼子と思っているんだろう!」と怒鳴るシーンがあります。

当時の日本の戦意高揚アニメでアメリカやイギリスを鬼にして桃太郎が鬼退治に行く作品を見たことがあります。しかし、実際の所、鬼畜米英を退治に行った日本の皇軍は中国で鬼となっていたのです。prime218さんが引っかかっていた、「『鬼』=日本軍人」は残念ながら真実のようです。白人支配にさらされているアジアの人々を助けに行ったはずの皇軍は実は自分達がアジアを支配しようとしていたのかもしれません。鬼退治にいったものが実は鬼だったのは誠に皮肉なものです。
私は別に中国を擁護して日本がずっと謝ってばかりいればいいとか日本は悪人ばかりの国だとは思いませんが(ブラッドピッドの「セブンイヤーズオブチベット」を見れば中国の共産軍も本当にひどいことしています。見ていて腹が立ちました)やはり日本軍が昔、中国に対してとてもひどいことをしていた事を棚上げするべきでもないと思います。どの国にもいい人や悪い人がいます。普通の人が鬼になってしまうこともあるのです。もし日本があの戦争で勝っていたら日本が中国にしてきた非道い事はそのまま棚上げされていたかもしれません。今、日本のニュースではいじめ問題がとても深刻な問題として大きく取り上げられていますがもちろんいじめが日本の専売特許ではないですが、どこの国の普通の人々も武器を持ち、戦争の状況になったならいじめの悪しき念が大きく増幅されて加速していき、自分の部下達や他の国の人々への、まさに鬼のようないじめ、殺戮と変わっていくのでしょう。私は人は不幸になる為に生まれてくるべきではないと思います。当たり前の事ですが人が幸福に生きる為にはいじめや戦争は絶対にない方がいいのです。それらをなくすことはとても難しく不可能に近いかもしれないですがいじめや戦争と戦う人たちも大勢いると思うのです。そんな人たちもいて世の中はかろうじて保たれていると思います。私は映画が好きです。映画の中にいじめや戦争に負けるな!ってメッセージをあちこちで見つけるのです。(単純にベストキッドなんかで勇気付けられたりして・。)そんな時に私は世の中は捨てた物ではないなあと思うのです。

詳細評価

物語
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