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死ぬまでにしたい10のこと

死ぬまでにしたい10のこと

MY LIFE WITHOUT ME

106

ica********

4.0

死を意識して生(いのち)を感じる。

病魔。こればっかりは日ごろの行いも倫理観もあったものじゃない。 一体どうしてこんないい人にこの時に降りかかるものであるか。 一体誰を恨むべきなのか。苦情を受け付けてくれる機関はない。 死ぬまでにしてみたい10のこと。 この作品では2人の天使のようにかわいい女の子の若い母親に矢が射られた。 なかなか死の告知をされて、『死ぬまでにすること』なんて書き出せるものだろうか。 『母は強し』とはいうものの、果たしてこれほどまでに気丈でいられる人が何人いるだろうか。 誰にも告白せず悲しませることを最小限にし、全て一人で決断し立派に毅然とやり遂げてしまった。 残された家族にとってはそれがよかったのかどうなのかは別にして、の話だが。 最初で最期の浮気相手が別れのときに言っていたように 『喜びも悲しみもうれしさも辛さも一緒に生きていきたい』 これが愛のある家族の持つ、素直な感情だと思う。 私の目から見てもこの家族は十分に満ちあふれる程の愛があった。 であれば、妻が去った後に旦那が自分に打ち明けてくれなかったという事実がどれほど心を痛めつけたろうか。 もしかして妻は自分(旦那)のことを収入が安定せず、頼りにならないので相談しなかったのか、相談するにふさわしくないと思っていたのか、など自分を責める行為に走らなかったと誰に言えるか。 一番印象的なシーンはスーパーマーケットでの買い物。 何かのレビューでも書いたことがあるが、どこか遠く昔の思想家が言っていた言葉がおそらく一生忘れられない。 『死を意識しないことは生きていることに怠惰である』 まさにあの心理状況の中の彼女には、自分以外の人はああいう風にダンスしながら買い物をしている、つまり生きることに怠惰であると映っていたのだろう。 全てを成し遂げた彼女は、死ぬことにはさぞ不本意ながらも、自分が居なくなった後の家族の幸せを確信して天国に安らかに旅立てたのだろう。 ひとつ、リストの中に旦那に関することがアップされていなかったところが気になった。旦那に対してリストアップするほどの心配事が全くなかったのか、はたまたもう子どもと自分のことで頭がいっぱいだったかは知る人ぞ知るとしておこう。

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