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死ぬまでにしたい10のこと

死ぬまでにしたい10のこと

MY LIFE WITHOUT ME

106

一人旅

4.0

23歳のエンディングノート

イザベル・コイシェ監督作。 ナンシー・キンケイドの短編「Pretending the Bed Is a Raft」をスペイン出身の女性監督:イザベル・コイシェが映像化した人間ドラマで、スペイン映画界の巨匠:ペドロ・アルモドバルが製作総指揮に名を連ねています。 末期癌で余命数か月を宣告された、夫と二人の幼い娘と暮らす23歳の主婦の心の機微を描いた人間ドラマで、死を目前にしたヒロインが、自らリスト化した死ぬまでにしたい10のことを一つずつ達成していく様子を、家族や友人、隣人との関わり、そしてコインランドリーで出逢った独身男性との秘密の恋愛を軸に映し出した“終活+女性ドラマ”の名篇であります。 リスト化した項目を実現させていく―『最高の人生の見つけ方』(07)、『マイ・プレシャス・リスト』(16) 自分亡き後に子どもたちを育ててくれる新しいママ候補を見つけ出す―『ファミリー』(83) …といった作品を連想させる切実な人間ドラマとなっていますが、余命宣告されたヒロインの秘かな苦悩と死ぬための準備を過度な感傷性を排して比較的淡々と見つめた作風が他人事ではない現実的な感触を付与していますし、死の恐怖に直面しながらも、愛する子どもたちそして自分自身のために残された時間を精一杯全うしようと努めるヒロインの覚悟と勇気に心揺さぶられます。 物語の舞台となるカナダ出身のサラ・ポーリーが余命僅かなヒロインを繊細に演じ切っていますし、彼女の最期の恋の相手を演じたマーク・ラファロの不器用で実直な人柄も魅力的に映ります。

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