ここから本文です

海猿 ウミザル (2004)

監督
羽住英一郎
  • みたいムービー 70
  • みたログ 3,752

3.59 / 評価:744件

感情論を押し通せる世界なのか?海保って

  • ざぶとん さん
  • 2018年3月13日 22時25分
  • 閲覧数 610
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

まず、この映画のダメなところは、リアリティが無いこと。仲間の死や、自分もいつ命を落とすやもしれない世界の、「死への恐怖」をほとんど感じないのです。

この映画では仲間が海難事故により亡くなるという描写がいくつかあるのですが、海の恐ろしさが全くと言っていいほど描けていません。例えば、水深40メートル、呼吸が出来ない深い海の底に取り残されたシーンでは、その恐怖が伝わらないため、ただ単にボンベがなくなり呼吸が出来ないというシーンでしかなく、臨場感に欠けます。また、専門用語がほとんど飛び交わないため、例えば海保の船に乗っているときは、乗っているという感覚を忘れそうになったりします。訓練の厳しさも、運動系の部活の厳しい練習に耐えている程度にしか見えません。と言うか作中では、厳しい訓練に励むシーンが少なく、休日や空き時間等で人間関係を描いた描写が多いので、そもそも訓練が厳しいのかすら伝わらないのです。リアリティに欠けます。

キャラクター描写には適当感が否めません。例えば、主人公の仙崎大輔は海が好きだから海保に転職したと言いますが、海が好きだと分かる描写がなかったり。工藤始の潜水技術課程に進んで熱心に訓練に励む理由も、ただ単に口でさらっと語っただけなので、感情移入が出来なかったり。また、それにもかかわらず簡単に女に鼻の下を伸ばせるところに違和感があったり…。そもそもヒロイン達を好きになれませんでしたね。例えば、危険な場所で海遊びをしている人に海保としてヒロイン達が注意しに行くと、税金泥棒などと罵られ落ち込むシーン。挫折に共感するシーンのようですが、別のシーンでは夜に居酒屋で生簀の中に入って騒いだりと迷惑行為をしていたので、「言われても仕方ねえよ」と思ってしまいました。

そして極めつけは、ラストの、感情論を押し通してしまう展開です。確かに人命救助が最優先だが、感情論と虚言を貫き通せてしまう展開にはどうしても突っ込みたくなります。まあ、源太郎教官があのような行動をとること自体は、彼の過去への想いが強く現れる素晴らしいシーンではありますが、その後の展開ですよねえ。感情論を語った安っぽいラストに「所詮、映画だなあ」と、心が萎えてしまいます。ここには学校の部活のような自由さはないのです。どういうことがあろうと、厳しい裁きを受ける必要があったと思います。それがリアルな海上保安部の現場でしょう。

星2つ、人間関係に焦点を当てて見るぶんには面白く映るかも知れませんが、自分にはイマイチでしたね。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ