魂の浄化
- bakeneko さん
- 2011年1月20日 10時23分
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- 総合評価
トルストイの代表作のタビアーニ兄弟による映画化作品で、モスクワ映画祭グランプリという“本家の承認”も得た、素晴らしい音楽&カメラ&演出と3拍子揃った堂々たる文芸大作であります。
友人“冬の鑑賞向きの映画って何がお薦め~”(オタクは良くこういう便利屋的な使われ方をします)。
と言うわけで、ロシアを舞台にした名作であります。
一時期低迷していたタビアーニ兄弟が復調をみせてくれた作品で、音楽のニコラ・ピオヴァーニ、撮影のフランコ・ディ・ジャコモとのタッグも復活しています。そして、初期の「父・パドロ・パドローネ」の頃の様な丹念な人間の掘り下げによってこの“浄罪と成長の物語”を紡いで行きます。
原作の枝葉末節を切り捨てて主要人物のみに絞った作劇は、主人公とヒロインの心理の掴み方が的確で明確なことによって、“彷徨する精神”の動向に観客の身を乗りださせる分かり易い構造になっています。
劇中言語はイタリア語、俳優も主にイタリア人、ロケ地もヨーロッパですが、原作のロシア風味とトルストイの内省的な思索と心理描写の綾を見事に再現した作品で、3時間の上映時間があっという間の贅沢な作品であります。
ねたばれ?
「復活」は何度も映画化されていて、1961年のソ連版も見事な作品であります(ヒロインが美しい!)。
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