ここから本文です

インファナル・アフェア (2002)

INFERNAL AFFAIRS/無間道

監督
アンドリュー・ラウ
アラン・マック
  • みたいムービー 488
  • みたログ 4,175

4.41 / 評価:1,279件

香港映画を代表する秀作の誕生に拍手!

  • hoshi595 さん
  • 2007年9月1日 4時04分
  • 閲覧数 3099
  • 役立ち度 73
    • 総合評価
    • ★★★★★

映画を知り尽くした香港映画界のプロが集まって出来たのが本作品である。香港映画で最優先されるのは娯楽性であり、いかに観客に楽しんでもらえるかであった。しかし、この作品により娯楽性だけでなく、確かな技術と国際的にも通用するセンスが証明された意義は大きい。

アンディ・ラウは100本以上の映画に出演しているが、この映画で世界中から高く評価され演技派の仲間入りを果たした。

トニー・レオンは「花様年華」でカンヌ映画祭主演男優賞を受賞、国際的にも認められているが、「恋する惑星」や「ブエノスアイレス」などで早くから注目され、近年は「HERO」で円熟した演技を披露している。

この二人を中心に脇役陣も迫真の演技で盛り上げている。
中でも一際目立つのがケリー・チャンで「冷静と情熱のあいだ」では主演を務めたり、歌って踊れるアジアの女性スターとしても有名だが、この作品では地獄の中に現れた天使の様な美しさと気品をかもし出し、アジアの美女が世界でも通用する事を示している。

しかし、この映画の素晴らしいところは他にもある。
先ず映像の美しさが徹底されている。背景の香港の景色の美しさは当然だが、普通の街並みや事務所の中、ビルの屋上、駐車場などのありふれた光景でも、洗練された芸術的な美を感じる事が出来る。アングルはもちろんの事、色調も冷たい青みがかった金属質的な色で統一されており、緊迫した空気を一層高めている。

また、脚本が優れているのだろうが、無駄なシーンがなく、セリフも必要最小限度になっていて、状況の説明は映像を追っていけば自然に理解できるようになっている。このため観る側は容易に感情移入が出来、最後まで一気に観てしまう。

そして緊迫感を更に高めているのが、音響効果である。鍵束がこすれあう音とか、書類を机に置く音、キーボードを叩く音、携帯電話の着信音などを、場面場面で強調する事により心理的な描写を助けている。全体に張り詰めた空気が常に漂っていて息苦しくなるのも、これらの効果に他ならない。残酷なシーンに美しいメロディを流し、より悲しみを誘ったりする手法も、特に新しくなくても効果的な使い方を熟知している。

最後に、この映画は「ディパーテッド」という題名でハリウッドでリメイクされた事は有名だが、いろいろな意見の中にマフィアのボス役はリメイク版のジャック・ニコルソンの方が良かった。という意見が多かったので補足説明したい。

そもそも争点はニコルソンの方が鬼気迫る形相で恐さがあり、さすが名優であるのに対し、香港版オリジナルはエリック・ツァンが普通のおじさんに映ったようなのだが、そうであれば大いなる誤解なのだ。

香港の裏社会の大物は普通の格好をしていて、街を歩いていても分からないほどなのだ。だから大ベテラン俳優のエリック・ツァンは忠実に演じていた事になる。笑顔の中の非情さの方が「シャイニング」のように、どうだ恐いだろうといった形相をするよりも、数段恐怖心をあおるのではないだろうか。

さて、この映画には続きがある。3部作全てを観れば、本作品で結論が出なかった「善と悪」の問題や、理解に苦しんだ「無間地獄」の意味が解明されるかもしれない。この作品を観たあなたは、全部観ないと眠れないのではないだろうか。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • 恐怖
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ