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予審

予審

DIE VORUNTERSUCHUNG

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bakeneko

5.0

ネタバレ音響拷問の恐怖

ベルリンの刑事弁護人で作家のマックス・アルスベルグがオットー・エルンスト・ヘッセと一緒に書いた「予審(1927)」を、ドイツ時代のロバート・シオドマク(ドイツでは“ジ”オドマクです)が監督したもので、ある殺人事件の予審の顛末を登場人物の疑心暗鬼&心理葛藤を中心に活写してゆきます。 学生のフリッツ・ベルント(グスタフ・フレーリッヒ)は判事の娘:グレタ(シャルロッテ・アンデル)という新しい恋人が出来た為に腐れ縁の商売女:エルナ・カビシュ(アニー・マーカート)と別れようと苦心している。グレタの兄で親友のウォルター(ハンス・ブラウゼヴェッター)がエルナの説得を買って出て、フリッツから合鍵の場所を聴き説得に赴くが、翌朝エルナは殺害されて発見される。事件を担当したのはウォルター&グレタの父親のコンラッド(アルベルト・バッサーマン)だった。フリッツを厳しく尋問してゆくうちにコンラッドには息子のウォルターの影がちらつき始めて…という推理サスペンスで、事件の意外な全貌が判明するまで、判事&フリッツ&ウォルター…らのそれぞれの思惑が複雑に絡み合い→煮詰まって行く、粘着質な心理描写が緊迫感を出しています。 フリッツもウォルターも限定的な情報しか知らないので、それぞれを庇う行為が更なる嫌疑を産む連鎖反応でもハラハラさせる作劇となっていますし、(公開当時 伊藤大輔監督が感心した)判事がフリッツを追い詰める―“カンカンカン…という金属格子の反響を用いた”音による強迫行為は生理的な不気味さ満点であります。 米英の“論理重視の推理ゲーム”とも、ラテン系の“情感重視の犯罪劇”とも一線を画した、実際の事件に基づいた現実的な犯罪捜査推理サスペンスで、証人として喚問される癖のあるキャラクター達に扮してドイツの名脇役者たちが名演を魅せてくれますよ! ねたばれ? 1、オープニングタイトルに掛かる―“Wenn Ich Mir Was Wünschen Dürfte(望みは何と訊かれたら)”は1930年代のドイツでのヒット曲です(「愛の嵐」でも印象的に使われていましたよね♡)。 2、本作は「ダイヤルMを回せ」の元ネタでもあります。 3、愛娘があんなプレイボーイと付き合って良いの?

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