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歓びの毒牙(きば)

歓びの毒牙(きば)

L' UCCELLO DALLE PLUME DI CRISTALLO/THE BIRD WITH THE CRYSTAL PLUMAGE/THE PHANTOM OF TERROR

98

kkk********

4.0

イタリアの変態王衝撃のデビュー作

まず邦題、意味わからないけどナイス過ぎです。 「サスペリア」「フェノミナ」等で知られるイタリアン・ホラーの大御所、ダリオ・アルジェントの監督デビュー作。 色彩感覚豊かな、艶のある画面造り。 黒づくめの殺人鬼。 グラマーなイタリア美女。 刃物への病的な固執。 壁に飛び散る真っ赤な鮮血。 犯人像の二重構造。 強引なストーリー展開となんじゃそりゃ的結末。 その後のアルジェント作品で見られた特徴的な作風が、ここで既に確立されていた事が分かります。1969年と比較的昔の映画の割にはさほど古臭さを感じないのも、作風の独自性故かと思います。冒頭、ガラス越しに展開される無音の殺人シーンは、監督の嗜好性がそのまま表現されたものであると同時に、ホラー映画史に残る名場面です。 得体の知れぬ殺人鬼に美女が無残に切り裂かれる、その様をいかにスタイリッシュに撮りあげるか。これがアルジェント映画の一貫したテーマなのだと思います。 あらすじから「セブン」や「羊たちの沈黙」のような、サスペンススリラーを想像してみると手痛いしっぺ返しを喰らいます。細かいプロットを組み立てて犯人像を探り当てる謎解きの妙味は、ここには皆無です。 これは、独特の審美眼を持った変態の美意識を鑑賞して楽しむ映画なのです。

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