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歓びの毒牙(きば)

歓びの毒牙(きば)

L' UCCELLO DALLE PLUME DI CRISTALLO/THE BIRD WITH THE CRYSTAL PLUMAGE/THE PHANTOM OF TERROR

98

gettoughbetough

4.0

ギャラリーでの殺人未遂シーンは必見

初期のアルジェント監督作品。 荒削りな面も多いけど、この監督がご贔屓な自分は、 最後までたっぷり堪能させてもらった。 イタリアを訪問中のアメリカ人作家が、ある夜、 ショーウィンドウ越しに目撃してしまう殺人未遂事件。 実は、これには街を震撼させている女性連続殺人事件との 関連性があり、独自に調査を開始した作家に、殺人鬼の 影が忍び寄る・・。 革の手袋、革のコートといった黒ずくめの殺人鬼の装い、 事件を解く鍵となる少女が殺されんとする絵画など、 後のアルジェント監督の傑作「サスペリア2」(Deep Red) に非常に共通する要素がある。 また、オープニングの主人公の殺人未遂目撃の一連のシークエンス・・ 真っ白なギャラリーに置かれたさまざまな不気味なオブジェ、そこで 争う黒ずくめの男と女・・これらがガラス越しに「静寂」の中で行われる ことは、それこそ舞台のような劇的効果を生んでいて、後に、主人公が 何度も思い返そうとする下りで挿入される使われ方も、まさに 「アルジェント」的で自分は大好きだ。 ただ、この主人公、アメリカ帰国を返上してまで真相追究する腹を据えた 割には、詰めが甘い(笑)。要となる絵画を描いた画家をわざわざ訪ねて いった下りとか。 最後に明かされる真犯人と、主人公の記憶が蘇るという流れ・・ 期待し過ぎたせいか、正直、「サスペリア2」ほどの衝撃も受けなかったし、 何よりも一つ大きな疑問が残ってしまった(当事者の服装)のが、 ややモヤモヤ感。 それでも、やはりご贔屓の監督の作品なので、トータルとして見て好きな 作品。

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