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リーサル・ウェポン2/炎の約束

R1

3.0

ネタバレJudgment

Lethal Wepon人間兵器 まるで怖いもの知らずの超人のように呼ばれていたが、実は心に傷のある自殺願望の弱い刑事の物語だった一作目 心の傷も癒えて人間兵器としても更にパワーアップ、リッグス&マータフのコンビにジョー・ぺシ演じるレオも加わりコメディ色も強くなった二作目 テンポもよくアクション映画としてとても楽しめる 悪役は駐車違反でも検挙が出来ない治外法権を盾にやりたい放題の南アフリカの外交官 当時の南アフリカは人種隔離政策のアパルトヘイトを施工していたし、政府が関与したと思われる密輸も多々あったようなので悪役には打ってつけだったのかもしれない 映画は面白いものだ 人それぞれ色々な感じ方がある どこを面白く感じるか どんなふうに観るか 自分は『リーサル・ウェポン2』を観てこんなふうなことを感じた 以下 結末ネタばれ リッグスの新しい恋人も警察の仲間達も次々に殺害 リッグスも敵の銃弾で瀕死の重症 追い詰められて治外法権を主張して逃げようとする外交官 マータフは自らの審判で銃の引き金を引く 逮捕しても法では裁けないから? しかし、ほとんどの刑事モノ映画のラストでは犯人は殺害されて終わる 逮捕されてハッピーエンドなどは少ない 多くの観客や制作者は凶悪な犯人は処刑して地獄での審判を受けるべきと考えるのだろうか? 昨年12月に国連総会でEU、アフリカ、南米、アジアの多数の国々が提案した 「死刑執行の停止を求める決議案」が賛成104・反対54・棄権29の賛成多数で採択された この決議に法的な拘束力はないが、死刑制度の見直しを迫る国際圧力にはなる 反対した国はアメリカ、中国、北朝鮮、日本などである ヨーロッパの多くの国々は死刑制度を廃止している イギリスは40年も前に廃止している ロシアでも死刑の執行停止中 映画では悪役の南アフリカも有色人種の政権になり廃止を決めた 反対票を入れたアメリカでも連邦では死刑制度はあるが、州によって、廃止している州、執行を停止している州など様々 国連加盟国192カ国で未だに死刑制度があるのは64カ国ほどのようだ 廃止の理由は人権の尊重、死刑が凶悪犯罪の抑止力になっている証拠がない、冤罪があることなど 日本では現職法務大臣が大臣の署名なしでベルトコンベヤー式で死刑囚には執行すべきと発言している 内閣が実施した世論調査でも制度の存続を支持する国民が大多数を占める 日本の死刑制度は犯罪抑止力の意味もあるだろうが、それ以上に遺族の敵討ちの代理のようにも感じる 来年からは日本でも裁判員制度が始まる予定 人が人を裁くのは難しい あなたが、私が、誰かを裁く立場になるかもしれない その時、あなたも引き金を引けますか? 『リーサル・ウェポン2』のラストが悪いとは決して思わない マータフは刑事としてではなく、個人として仲間達の敵討ちをした形になっている ただ世界規模で死刑制度廃止の方向に動いているのは明らかだ それでも世界中の多くの観客は、凶悪犯が最後には処刑されるのを期待して観ているのだろうか? 映画の中だから? 死刑を廃止しているイギリスでもテロリストと間違われた移民者が警察に射殺された事件が実際にあった もし、『リーサル・ウェポン2』のラストでマータフが「俺は刑事だ 法を遵守する」と言って、逮捕できないことを承知で手錠を掛けただけで終わったら、「何故撃たない?どうして裁かない?」やはり世界中の多くの観客は納得が出来なかっただろうか?

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