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離愁 (1946)

TOMORROW IS FOREVER

監督
アーヴィング・ピシェル
  • みたいムービー 2
  • みたログ 1

3.00 / 評価:2件

O Tannenbaum, o Tannenbaum…♪

  • bakeneko さん
  • 2019年3月6日 14時04分
  • 閲覧数 110
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

「ジュビリートレイル:Jubilee Trail」の原作者でもある:グウェン・ブリストウの「Tomorrow Is Forever(1943年)」を映画化したものですが、終戦から半年を経たせいで戦争への肯定的な描写はやや穏やかなものとなっています。
第一次世界大戦によって引き裂かれた夫婦が第二次大戦前夜に再逢することで、戦争の残虐さと人間の運命の奇遇さを浮かび上がらせてゆく“戦争運命劇”で、名女優:クローデット・コルベールとオーソン・ウエルズの演技が見所と成っています。

第一次世界大戦終結寸前の1918年11月。夫ジョン(オーソン・ウェルズ)との再会を待ち望む妻エリザベス(クローデット・コルベール)の下へ戦死報告が届く。
妊娠中だったエリザベスは勤め先のハミルトン社の息子ローレンス(ジョージ・ハミルトン)とローレンスの叔母ジェシカ(ルシール・ワトソン)の厚意に感じて再婚、ジョンとの息子である長男アンドリューに加えて彼との間に次男ブライアンも授かる。
それから20年後の1939年の11月、アメリカの化学薬品会社ハミルトンの開発責任者として亡命オーストラリア人:ケスラーが赴任するが、実は彼の正体は第一次世界大戦時中に爆撃を受け、隻手で足が不自由となったジョンその人だった…というお話で、
映画的演出で、“誰が見てもオーソン・ウエルズなのに、最愛の妻も正体に気が付かない“という-“多羅尾伴内”または“遠山の金さん”作劇となっています(まあ、「犬神家の一族」の佐清や丹下左膳を出すわけにも行かなかったでしょうから…忖度してあげましょう)。
で、その違和感に眼をつぶると、
「かくも長き不在」の様に長い年月を経て再会した夫婦が-“何時気が付くか?&どう決着するのか?”をハラハラしながら見つめるドラマに惹き込まれます。
“成人した息子が志願部隊に参加するか否か“―に、2次大戦中のアメリカの世論も作品に反映している作品で、逡巡の末に”靖国の母“となるクローデット・コルベールに時代色を見ることもできますが、同時にジョンを救う医師の様にドイツ人にも良識のある人物が居るという描写や、ドイツ娘役のナタリー・ウッド(8歳)の可愛らしさでは、戦後アメリカに良識が戻りつつあることも判ります。
「或る夜の出来事」の“じゃじゃ馬娘”とは一転して芯の強い女性&母親を演じるクローデット・コルベールの名演と、子役時代のナタリー・ウッドや、長男ドリュー役にその後『サンセット77』や『バークレー牧場』などのテレビドラマで人気スターになるリチャード・ロングの青年姿を見ることのできる作品で、原題:Tomorrow Is Foreverは、後にアンゲロプロスの映画の題名「永遠と一日」の元ネタでもありますよ!

ねたばれ?
レビュータイトルにも書いた-本作の準テーマ曲でもある“もみの木:O Tannenbaum”♪は元々ドイツ民謡発祥のクリスマスキャロルで、19世紀にヨハン・アウグスト・ツァルナックとエルンスト・アンシュッツが共同で歌詞を付けたものです。そしてこのメロディは本映画の舞台であるメリーランド州やアイオワ州の州歌、そしてコーネル大学の校歌としても使われています(メリーランド州(15.7%)やアイオワ州(35.7%)のドイツ系住民の割合は他の白人系に比べてトップですし…)。
従って、本映画でのこの曲の繰り返し使用はドイツとの戦争を描きながら、ドイツ文化と良識もしっかり認めていることを示しています。

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