レビュー一覧に戻る
リフ・ラフ

リフ・ラフ

RIFF-RAFF

94

tee********

4.0

さすがに、ケン・ローチ。

サッチャー政権誕生時の、 イギリスの社会状況を背景とした、 日雇い労働者たちの姿と、 歌手を夢見る少女の姿を通して描かれる、 ケン・ローチならではの目線の作品。 イギリスの賃金体系は、 週給となっている。 日雇い労働者たちにとっては、 何の補償もなく、 毎週、解雇におびえながら働くことになる。 組合は形骸化し、 その劣悪な環境に異議を唱えることもできない。 低賃金に、危険で、きつい労働。 必然、集まってくるのは、 立場の弱い人間や、外国人労働者たちばかり。 イギリスの暗い部分であり、 変わらぬ社会のひずみを映し出している。 しかし、 そこに生きる彼らは、 明るさを失わない。 生きる強さと、 したたかさがある。 主人公の青年は、 工事現場で見つけたかばんの持ち主を探し出す。 偶然から出会う少女は、 歌手を夢見ているが、成功する未来は見えてこない。 二人は一緒に住むことになるのだが、 けんかばかりしてしまう。 そんなある日、 青年の母が亡くなり、 葬儀に行くことになる。 不在の間に、孤独に耐え切れない少女は、 薬に手を出してしまう。 戻ってきた青年は、 そんな彼女を許すことができず、 二人は別れてしまう。 工事現場では、 事故によって人が死んでしまう。 (まぁ、この事故も、 本人の怠慢も問題だったりするのだが・・・) そして、 彼らは、 工事現場に火を放つのだった・・・。 ケン・ローチ独特の目線。 救いがない、絶望的に見えるものも、 生きる強さや、したたかさに、 心動かされる、共感が生まれる。

閲覧数1,111