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龍拳

龍拳

龍拳/DRAGON FIST

90

ayutakaringjets

5.0

振り上げた復讐の「拳」、その行方。。

「~拳」シリーズの中でもかなりシリアスな話。 予想外でもあった。 しかしながら、こういったシリアスさはジャッキー登場以前には一般的な作風だったのかもしれない。 ラスト寸前まで、追い詰められるジャッキーは観ていて痛々しいほど。 逆に言えば、それぐらい引き込まれてしまっていた。 今回は「コミカルさが売りなジャッキー」は皆無。 でも、「騙され上手なジャッキー」も各作品にあるように、今回もこちらはあるのだが。 まだちゃんと鑑賞していない「成龍拳」や「蛇鶴八拳」とか未見のため、 なんとも言えないが、相当な内容の濃さ(シリアスさ)だと思う。 >> ある道場の師範が大会で優勝する。 が、突然やってきた別の道場の師範が優勝した師範を倒し、死に至らす。 その殺された師範の愛弟子ジャッキーが修行を積み、その3年後、ついに復讐に向かうのだが。。。 >> 内容に触れてしまうが、それでも充分楽しめると思うので書くが、 ジャッキーは、実は復讐に至ることができず、 中盤から凄く「消化不良」なジャッキーがいる。 そして、そこに付け込む悪意。 悪になった理由。 悪を悔いた理由。 悪が善になったのを受け入れたくない理由。 悪なのに善に見えてしまう理由。 光さすれば、影ができるように。。 本作では、 悪の「本質」や、善や義の「本質」などを、 見抜く力をジャッキーは問われるのだ。 それだけに、ラストのジャッキーの「哀しき拳(こぶし)」には、 ただ手に汗握る決闘だけでは無くなっている。 拳(こぶし)がどんなに強くとも、 大切な人を護れない拳。 それが、とても哀しくなる。 個人的には「龍拳」ではなく、「哀拳」といったところか。 >> しかしながら、ジャッキーの修行後の龍拳を初披露するシーンは本当に素晴らしい。 綺麗な「型」。 ゾクッとするほど。 ラストは20分に及ぶクンフー三昧。 パッケージにも記載されてはいたが、「拳」シリーズの決闘シーンの中で、 最高傑作(らしい)とのこと。 確かに凄かったし、疲れた(笑)。 でも、あの連打には痺れた。 観ている僕らは皆スカっとするはずだ。 でも、ハッピーエンドではない。 でも、あの後の生き残った皆の「良い行く末」を想像するのが、 きっと素敵なジャッキーファンなのだろう。 大人になったジャッキーファンに、 「今観てほしい作品」 だと思う。 たぶん、それぞれが持っている(ジャッキー作品の)ランキングが変わるはずだ。

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