あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(19件)
- エル・オレンス
4.0点
ネタバレわずか数分間の青春が切ない。
このレビューにはネタバレが含まれています。 - oce********
4.0点
ルイ・マル監督が描く青春ものであり戦争もの。 明確に爆発だったり銃撃戦はほとんど映さない。 でもこれが戦争という現実をまざまざと見せられる。 ほんのちょっとした行動がルシアンの性格を変え、それによって周りの家族や人間の運命も変える。 でも幸せな部分も相対的に描いているので、それが逆に戦争がなければという思いを強くする。 ラストを敢えて字幕で表現し、その部分を描くことでより無情を強くさせる演出も見事。
- bar********
4.0点
ルシアンの青春。ルイ・マル監督の『好奇心』や『死刑台のエレベーター』を見たことがあるのですが、ああいった映画に出てくる若者たちと、ルシアンはよく似ていますね。 捉えどころのない鬱屈があって、何かを為したいと思っても、そのあてもないし、何をしたらいいのかもわからないまま、ただ何かに飢えている……。 筋が通った若者、というんではないんですね。 浮遊している存在という感じです。 それを表現できるのは、やっぱりフランス映画ならでは。 青年は一瞬で権力を手にします。 この過程はルシアンに怒りを覚えた方もいるかもしれません。ルシアンには、目指すべきものなど何もなかったのです。彼は権力を手に入れましたが、まるでその扱い方がわからない。仕立屋の娘に恋し、恋仲になるために、子供のように権力を乱用したり、たどたどしく贈り物をしたり、銃をおもちゃのように持ち歩いたりと、ここでは恥ずかしい彼を見続けることになります。 私もルイ・マル監督の、ルシアンのような青年像に対しては、あまりいいイメージを持てませんでした。『好奇心』や『死刑台のエレベーター』でもそうですね。リアリティはあるでしょうが、彼のような青年が行うこと、その善悪の基準が、ルイ・マル監督の表現によって、破壊されてしまい、実存などといった問題が宙に浮いたままになってしまっているので、それをそっくり芸術として扱うべきかというのは、今でも議論される話題だと思いますが、私は監督によって「解答がなされていない」ので、芸術というには未完成すぎると思います。こういったことは意外と簡単だからです。答えを出すことの方が何万倍も難しい・・。 キューブリック監督を思い出すのです。彼も問題提起だけして、解答は出さない人でした。衒学趣味がある分キューブリックはルイ・マル監督に劣りますが、私が両人を評価しない根本的な理由は同じです。 ゴールがどこにあるのかわからないというのは、そこまでに至る道のりも、意味を失してしまうということになると思うのです。特に時間や場面が区切られた映画的意味では。我々には徒労感が強く残り、なかなか面白い主題も楽しむことが難しくなってしまうのです。
- 柚子
4.0点
1944年、ドイツ支配下のフランス、片田舎… 17才のルシアン、レジスタンスに入りたくても、若すぎるという理由で断られ、こともあろうに、ドイツ警察(ゲシュタポ)の手先となって働くことに… 一度権力を手にすると、人は横暴になるという見本のようなルシアン… 若気の至りというには、あまりにも考えなしの行動であったが、あるユダヤ人家族に出会い、そこの娘に一目惚れ… 少しずつルシアンの心が変化していく… まだ大人の階段を、登りはじめたばかりだったのに… 戦争は、残酷 鳥、兎、鶏、犬など、たくさんの動物が惨殺されるシーンが多い 今とは違い、実際の動物たちが、映画の中で惨殺されていて、見ているのがつらかった
- rec********
3.0点
ルイ・マルにも映画作家になれたかもしれない、と片鱗を覗かせるような作品がある。もちろん全編ひたすら見苦しい『ダメージ』や『地下鉄のザジ』などでなく『鬼火』やこの『ルシアンの青春』の事です。とは言っても思っていたよりは悪くなかったという程度の感慨ですが何より感動的だったのはヒロイン・フランスを演じたのが『パリ、テキサス』のオーロール・クレマンだった事。
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