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ルシアンの青春

ルシアンの青春

LACOMBE LUCIEN

140

スーザン

4.0

無知と愚かさと権力、そして戦争。

第二次世界大戦中、ドイツ占領下のフランスの田舎町。 17歳のルシアンは無邪気を通り過ぎて無知、と観客には写る。 彼にとってはレジスタンスであろうが、ゲシュタポであろうが関係なかった。 銃を持ち、特権を持ち、刹那に生きる。 愚か者の青春である。 しかし、それはまた戦争という悲劇が生んだ悲劇でもある。 大きな流れに逆らうことなく身を任せ、流されるままに行動し、そして結果、それはとんでもない間違いだったと後に気づく・・・というのは歴史上、特に戦時下においては多々ある。 観客が一切感情移入できない主人公ルシアン。 後半、フランスと祖母の三人で隠れ家に住むことになり、そこで心の安らぎを得て、やっと青年らしさを垣間見せるが、時はすでに遅し・・・。 ルイ・マルの手により戦争の愚かさを存分に見せつけられる作品である。 そして特筆すべきが、フランスの父のルシアンに対する態度である。 媚びることも蔑むこともなく、人間として毅然と接する彼の行動にに心打たれるのである。

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