ルシアンの青春

LACOMBE LUCIEN

140
ルシアンの青春
3.8

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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(19件)


  • エル・オレンス

    4.0

    ネタバレわずか数分間の青春が切ない。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • oce********

    4.0

    美しくて残酷

    ルイ・マル監督が描く青春ものであり戦争もの。 明確に爆発だったり銃撃戦はほとんど映さない。 でもこれが戦争という現実をまざまざと見せられる。 ほんのちょっとした行動がルシアンの性格を変え、それによって周りの家族や人間の運命も変える。 でも幸せな部分も相対的に描いているので、それが逆に戦争がなければという思いを強くする。 ラストを敢えて字幕で表現し、その部分を描くことでより無情を強くさせる演出も見事。

  • bar********

    4.0

    ルイ・マル監督の青春映画について

    ルシアンの青春。ルイ・マル監督の『好奇心』や『死刑台のエレベーター』を見たことがあるのですが、ああいった映画に出てくる若者たちと、ルシアンはよく似ていますね。 捉えどころのない鬱屈があって、何かを為したいと思っても、そのあてもないし、何をしたらいいのかもわからないまま、ただ何かに飢えている……。 筋が通った若者、というんではないんですね。 浮遊している存在という感じです。 それを表現できるのは、やっぱりフランス映画ならでは。 青年は一瞬で権力を手にします。 この過程はルシアンに怒りを覚えた方もいるかもしれません。ルシアンには、目指すべきものなど何もなかったのです。彼は権力を手に入れましたが、まるでその扱い方がわからない。仕立屋の娘に恋し、恋仲になるために、子供のように権力を乱用したり、たどたどしく贈り物をしたり、銃をおもちゃのように持ち歩いたりと、ここでは恥ずかしい彼を見続けることになります。 私もルイ・マル監督の、ルシアンのような青年像に対しては、あまりいいイメージを持てませんでした。『好奇心』や『死刑台のエレベーター』でもそうですね。リアリティはあるでしょうが、彼のような青年が行うこと、その善悪の基準が、ルイ・マル監督の表現によって、破壊されてしまい、実存などといった問題が宙に浮いたままになってしまっているので、それをそっくり芸術として扱うべきかというのは、今でも議論される話題だと思いますが、私は監督によって「解答がなされていない」ので、芸術というには未完成すぎると思います。こういったことは意外と簡単だからです。答えを出すことの方が何万倍も難しい・・。 キューブリック監督を思い出すのです。彼も問題提起だけして、解答は出さない人でした。衒学趣味がある分キューブリックはルイ・マル監督に劣りますが、私が両人を評価しない根本的な理由は同じです。 ゴールがどこにあるのかわからないというのは、そこまでに至る道のりも、意味を失してしまうということになると思うのです。特に時間や場面が区切られた映画的意味では。我々には徒労感が強く残り、なかなか面白い主題も楽しむことが難しくなってしまうのです。

  • 柚子

    4.0

    残酷な青春

    1944年、ドイツ支配下のフランス、片田舎… 17才のルシアン、レジスタンスに入りたくても、若すぎるという理由で断られ、こともあろうに、ドイツ警察(ゲシュタポ)の手先となって働くことに… 一度権力を手にすると、人は横暴になるという見本のようなルシアン… 若気の至りというには、あまりにも考えなしの行動であったが、あるユダヤ人家族に出会い、そこの娘に一目惚れ… 少しずつルシアンの心が変化していく… まだ大人の階段を、登りはじめたばかりだったのに… 戦争は、残酷 鳥、兎、鶏、犬など、たくさんの動物が惨殺されるシーンが多い 今とは違い、実際の動物たちが、映画の中で惨殺されていて、見ているのがつらかった

  • rec********

    3.0

    かつてのルイ・マルにも・・・

    ルイ・マルにも映画作家になれたかもしれない、と片鱗を覗かせるような作品がある。もちろん全編ひたすら見苦しい『ダメージ』や『地下鉄のザジ』などでなく『鬼火』やこの『ルシアンの青春』の事です。とは言っても思っていたよりは悪くなかったという程度の感慨ですが何より感動的だったのはヒロイン・フランスを演じたのが『パリ、テキサス』のオーロール・クレマンだった事。

  • 一人旅

    4.0

    ルイ・マルの“青春”

    ルイ・マル監督作。 二次大戦末期のフランス西部を舞台に、青年ルシアンと娘フランスの出会いとその後を描いた青春映画。 ルシアンが見せる表情は冒頭からどこか物憂げで、貴重な青春時代を謳歌する若者という印象からはほど遠い。病院で働くルシアンが久々に実家に戻った際も、見知らぬ一家が居候していたり母親が浮気していたりとルシアンが落ち着ける場所は存在しない。そうした経緯もありルシアンはドイツ警察で働くことになるが、同時にユダヤ人娘フランスと恋に落ちてしまうのだ。ドイツの手先となったルシアンは売国奴であり、フランス人としての誇りを完全に売り払っている。警察に捕らえられた対独レジスタンスの指導者をじっと見つめるルシアンの姿が哀しく印象的だった。 娘フランスとの出会いは戦争と孤独に奪われた青春を取り戻すためのきっかけとなり、同時にルシアンのフランス人としての魂を取り戻すための唯一の希望でもある。

  • じゃむとまるこ

    5.0

    ルイ・マルならではの瑞々しくも残酷な青春

    青春映画としてとても魅力的にできている、そして声高ではないが残酷な時代を「二度とあってははならない」自分もまだ子供ではあったけれどその時代の一員であったことを懺悔の思いを込めてこの映画を製作しているように思った。 ルイ・マルはルシアンを批判的には描いていない、未成年は文字通り未成年。 まだ大人ではない、愚かさを整理できない年代だと思う、反抗期のない人間はダメだ、とよく言う、まさにそのやり場のないエネルギーを持て余している。 戦争はよくない、すべての人にとって。 戦争は人の愚かな部分を炙り出す、大きなストレスは人間の残酷な部分を引き出してしまう、未成年ならなおさら、と言いたいところだが、実は立派な大人にとってもそうなのだと思う。 戦争を始めるのは立派な大人なのだから。 フランスの片田舎、自転車を走らせるルシアン、軽快なジャンゴ・ラインハルトの曲が被さりとても魅力的なシーン。 この後パチンコ(投石器)で小鳥を殺したり、うさぎを撲殺したりと青春期独特の意味もなく残虐な一面を描き、また、家庭環境からくる身の置き所のないことなどから、レジスタンスに参加しようとするも年齢から断られ、受け入れられたゲシュタポの手先となり、愚かにも銃を持ち偉くなったような気になる無知で無邪気な17歳が易々と人生の陥穽に堕ちてしまう。 そのあたりの描き方に説得力がある、戦時にはこういう人たちが数限りなくいたのだろう。 ゲシュタポに連れて行かれたユダヤ系フランス人の仕立て屋で彼はその娘フランスに一目ぼれする。 フランスの気持ちはどうなのかはわからない、逆らうことはできなかったのだろうが、少なくとも嫌いではなかったように見えた。 ルシアンにすべてを奪われるフランスの父の人間的魅力が素晴らしく際立っている、「君を憎み切れない」その台詞に人間というものへの深い洞察を感じる。 フランスが弾くベートーヴェンの月光ソナタがこれから先のルシアンと彼らの運命を暗示しているように思う。 彼女を知ったことでルシアンは人間的な気持ちを取り戻していくが、時代は彼の過ちを許してはくれない、当然だろう。 世の中にはどんな理由を付けても許されることと許されないことがある。 冒頭の新鮮な自転車を走らせるシーンは映画ラストフランスと戯れる、今まで見ることがなかったルシアンの笑顔につながっているが、そこに数行の字幕で語られるルシアンの末路が哀しい。 青春の残酷さを描いた秀逸なラストシーンだった。 ルイ・マルは1987年「さよなら子供たち」で似たような映画を撮っていて、高く評価され今も名作と言われている。 それを遡る1974年に撮られた本作もまた名作だと思います。 ルイ・マルのジャズやクラシック使いの音楽の選び方は素晴らしく「さよなら子供たち」のシューベルト、本作でのジャンゴ・ラインハルト&ベートーヴェン、 「鬼火」でのエリック・サティなどどの映画も新鮮さが際立っています。

  • ootutaro

    4.0

    ネタバレ★不思議とおもしろい映画 

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • ass********

    4.0

    フランスの真相

    戦勝国であり敗戦国でもあったフランスのリアルな姿が観れました。 自分のしてることへの疑問や何が正しいかを考えることなく、躊躇することなくナチスの手先になり、かつての仲間が拷問されても鶏を殺すときと変わらずほとんど何も感じない。 金・権力・評価を得ることに満足し、マシーンと化した少年の姿は多かれ少なかれレジスタンス以外のフランス人の姿だったのだと思いました。 ナチスの歪んだ思想も怖いが、思想がないことの怖さに寒気を感じました。

  • スーザン

    4.0

    無知と愚かさと権力、そして戦争。

    第二次世界大戦中、ドイツ占領下のフランスの田舎町。 17歳のルシアンは無邪気を通り過ぎて無知、と観客には写る。 彼にとってはレジスタンスであろうが、ゲシュタポであろうが関係なかった。 銃を持ち、特権を持ち、刹那に生きる。 愚か者の青春である。 しかし、それはまた戦争という悲劇が生んだ悲劇でもある。 大きな流れに逆らうことなく身を任せ、流されるままに行動し、そして結果、それはとんでもない間違いだったと後に気づく・・・というのは歴史上、特に戦時下においては多々ある。 観客が一切感情移入できない主人公ルシアン。 後半、フランスと祖母の三人で隠れ家に住むことになり、そこで心の安らぎを得て、やっと青年らしさを垣間見せるが、時はすでに遅し・・・。 ルイ・マルの手により戦争の愚かさを存分に見せつけられる作品である。 そして特筆すべきが、フランスの父のルシアンに対する態度である。 媚びることも蔑むこともなく、人間として毅然と接する彼の行動にに心打たれるのである。

  • ali********

    5.0

    独裁と抵抗(15)レジスタンス映画の勧め

    最近レジスタンス映画を好むが、『ボンヴォヤージュ』『シャーロットグレイ』『ブラックブック』『激動ヨーロッパ戦線』(★)など、2000年代の、ヒューマニズム基調で、派手ではないが多少明るい作品だ。これは、第3期レジスタンス映画と呼ぶべきものだろう。   (★=それぞれ、私のレビューを見てください) これに対して、第1期、つまり第2次大戦直後にレジスタンス運動の勇気と勝利を賛美する『鉄路の戦い』などに憧れたのは、私よりも上の世代(1960年前後の大学生)です。 この1973年製作の『ルシアンの青春』は、第2期という位置づけになるだろうか。つまり、フランス人にもナチスドイツの占領軍に協力する者がいたり、悔い改めても悲惨な最期が待っていたり、という重い内容だ。戦争中の実情は、そんなものだったのだろう。鑑賞すればきっと考えさせられるところがあると思う。戦争の非条理で悲惨な、どうしようもない現実を描いた、日本の良質の戦争映画に似ている。 第1期の映画は、伝説的な名画も含んでいるが、なんとなく政治的で、筋が見えている感じで、今のところ未鑑賞だ。第3期は、たとえば『シャーロットグレイ』への英語圏のレビューで、歴史の現実はこんなに甘くなかったという批判を読んだことがある。そんな「甘口」のレジスタンス映画を私は見ているわけですが、――そうした映画が海外で評価されているのですが――それでも当時の心ある人々の考えと行動が少しは伝わってきて、今はやりの言葉を転用すると「元気をいただけます」。

  • ple********

    5.0

    戦争に翻弄される2人の男女の青春

    世界映画名作全史という本にこの映画が紹介されていて、主役の俳優がすぐ交通事故で亡くなったと書かかれてあったりと印象に残っていたので今回DVDで見てみました。 見終わった後もとても印象に残る作品です。特にラストに青春の美しさと残酷さを感じました。 この新人俳優は自動車事故で亡くなったそうですが、この他にも何本か主演映画を撮影していたらしくて、将来のスターへの成長が期待されていたのに残念ですね。 それと、純粋な雰囲気のオーロール・クレマンがとても美しかったです。

  • 4.0

    ネタバレルイマルが戦争を描くとこうなる

    このレビューにはネタバレが含まれています。
  • ma_********

    4.0

    少年+銃+権力=?

    思春期の頃に、 誰でもある種の破壊的衝動を抱いていた人は少なからずいたはず。 かくいう自分はまさにそれで、 その破壊願望には特にこれといった意味もなく、 ただ単に持て余したパワーを発散させたかっただけ、 というのが今思えば理由らしい理由だったような気がする。 そういう心身共に不安定で未成熟な思春期真っ只中の少年・ルシアンに、 拳銃と権力を与えたらどうなるか?というのが本作のテーマ。 第二次大戦期のドイツ占領下のフランス。 どんなに理不尽なわがままでも「オレは秘密警察だ」と言えば何でも通用することに味をしめ、 ルシアンはまるで呪文を唱えるようにその言葉を連呼する。 たくさんの人が並んでいる行列の先頭に割り込んだり、 美しいユダヤ人の娘を強引に我がものにできたりしたのもその魔法の言葉のおかげ。 やがて自らの欲求を満たすために銃と権力を振りかざし、 チンピラのような住民に恐れられる存在になってしまう。 だが本当に悪いのは、 彼の理不尽なわがままを無抵抗に受け入れてしまった大人たちの方だ。 秘密警察という肩書きだけで恐れをなし、 権力に屈してしまった大人たちの方なのだ。 名匠ルイ・マルが本作にこめたメッセージとはきっとそういうことなのだと思う。 これもまた、 戦争が生んだ数限りない悲劇の中の一つに違いない。

  • kmj********

    5.0

    人間というもの

    弱者から強者になり傲慢になり弱者を見下しまさに人間性が変わってゆく。 人間とはこんなものなのか…。 ラスト彼はどうなったのだろうか

  • fra********

    4.0

    無知の怖さ

    無知で未成熟であることの危うさ、怖さがひしひしと伝わってくる作品です。 「現状から脱したい」という思いは、いつの時代も若者が抱くありきたりの感情。 ルシアンにとってはレジスタンスでもゲシュタポでも、『今』が変われば何でもよかったのでしょう。 そして彼はユダヤ娘に恋をする。相手がなぜ自分に従うのかを考えることもなく。 イスラム原理主義を扱った映画で、同様の青春をみたことがあります。 ただなんとなく仲間に入り、洗脳され、自爆へと突き進む若い命が描かれていました。 かつての日本にも、無差別テロの正当性を吹き込まれ、暴挙に加わった少年がいました。 ルシアンの場合はもっと『軽い』のです。 彼には偏った理想に同調したり、のぼせあがった気配は全くありません。 自分の気分がいつも優先されます。 作品のラストに淡々と語られる彼の『その後』に、私は胸が締め付けられます。 あまりにも幼い彼に、何の責任があったというのでしょうか。

  • nam********

    4.0

    「アドルフに告ぐ」を思い出します。

    私個人の勝手な想像ですが、手塚治虫氏は、この映画を見て感化されて「アドルフに告ぐ」を作ったのではないでしょうか。そんな気がしてなれません。それにしても、ルイ・マル監督の成熟した繊細な感性には、ただ、ため息がでるばかりです・・・。

  • いやよセブン

    4.0

    人間の醜い面をあぶり出す

    第二次大戦中、ドイツ占領下のフランス片田舎で愚かな若者が、ドイツの手先となり祖国フランスを裏切る。 本人は自分を大人扱いしてくれる仲間が好きだ。 また、権力サイドに身を置くため、みんなが自分の言うことを聞いてくれる。 ところがユダヤ人の少女を好きになり、ドイツ軍の言うことなんか聞いていられなくなる。 ある意味、不愉快な映画だが極限化ではよくある話なのだろう。

  • k2p********

    4.0

    ネタバレ青さ。

    このレビューにはネタバレが含まれています。
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