レビュー一覧に戻る
ルネ・クレールの 喜劇の黄金時代

bakeneko

5.0

ネタバレむかし“スラップステイック”ありき!

50年前(1959)に、ルネ•クレールが1930年代以前のアメリカのサイレント・コメディのフィルムを集成して、監修と解説を加えた“ハリウッド叢生期の喜劇アンソロジー”であります。 えー、“サイレント・コメディが好き!”と言う方は結構居ますが、その大半が御三家(チャップリン、キートン、ロイド)の映画しか観ていなかったりします。 もちろん彼ら巨匠の作品は傑作揃いなのですが、彼らのサイレント期の作品が生き残ったのは僥倖なことなのであります。言い換えれば、トーキー&長編化に作品を順応させることに成功して最後まで第一線で映画を創っていたチャップリンや、ヨーロッパでの再評価によって見直されたキートンやロイドは、特異的に後年まで作品が忘れ去られなかったのであります。そして、彼らの作品のみが面白かった訳ではありません(=多くの傑作スラップステイックコメデイが顧みられずに埋もれているのであります)。この映画は50年前の作品ですが、その時点で既に“忘れ去られる程昔の作品”だった多くの映画と人気役者を続々と紹介してくれる楽しい作品であります。 本作は、(ちょっと学術っぽく)9つの章に分かれて、マック・セネット社の作品から、ローレル&ハーディ、W・ロジャース、B・ターピン、ハリー・ラングドンらの出演作品、そしてゲストとしてキャロル・ロンバードとジーン・ハーロウの若き日まで見せてくれます(動物も大活躍!)。各作品の見せ方も、ハイライトシーンだけではなくて、長いシークエンスをしっかりと見せて“素晴らしいセンス&仕込み&動き”に驚愕させてくれます。そして、筋書きに頼らずに純粋に“笑い”を創っていた才能に脱帽すると共に大笑いしながらも“今はもう失われた宝石”の感慨に浸るのであります。 で、本作をプロデユース&構成したロバート・ヤングソンは同様に、「喜劇の王様たち」、「喜劇の大将」、「爆笑20年」(ローレル&ハーディ)、「シネブラボー!」等も創っていますので、本作は気に入られた方はどうぞ!

閲覧数206