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冷血 (1967)

IN COLD BLOOD

監督
リチャード・ブルックス
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  • みたログ 154

3.54 / 評価:41件

冷血な父 (神) に見放された者の行く先・・

  • GODOFGOD さん
  • 2015年2月16日 18時32分
  • 閲覧数 958
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

トルーマン・カポーティの同名小説の映画化。
全編モノクロ作品。 
監督:リチャード・ブルックス 
製作:コロンビア・ピクチャーズ  
第40回 (1967年度) アカデミー賞4部門ノミネート作品。



1959年11月、カンザス州で実際に起きた一家惨殺事件で、
カポーティ本人が殺人犯の死刑囚や警察関係者などから直接取材を行い
長年かけて完成させたノンフィクション小説の原作が元になっている。

原作ほど重々しくなく、かなり要約されていて、
映画版の方はより簡潔にテーマを読み解くことができる。



そのほとんどが殺人を犯したペリーの視点で語られる。
父(神)に見捨てられた者の哀しみ、虐待を受けた者の孤独と嘆き、
過去のトラウマがやがて内なる悪魔を目覚めさせ、己が望まぬ惨劇を招いてしまう。

富める者が富む世界、貧しい者はそこで生きる夢を持ち、
そして、さらに弱き者は、時に生きる場所や希望さえも見失ってしまう。


1の犠牲者と、100の傍観者。
この事件の1は、
平和に生活をしていた富裕層の中で、たまたま運悪く殺害された被害者一家でもあり、
社会からはみ出してしまった殺人者二人のことでもある。


間違いを犯した者は、
初めから悪魔として生まれてきたのではない。
誰しも加害者にも、被害者にもなりえる可能性がある。

法によって人が人を裁き “国民の意” という名の処刑人が “死” を用いて復讐する。
人間は己の死に恐怖し、他者に死を与え、永遠に愚かな行為を繰り返す。
銃社会や死刑制度に対するアンチテーゼが描かれているようだ。

貧しい者が夢破れ、社会に見放されて行き着く先はこの世界の “隅っこ”
なぜ、3つの家族は崩壊したのか?
なぜ人は人を殺すのか?
実際に起きた事件をベースに、創世記のカインとアベルを引用したテーマ。

その答えは、【神】が【冷血】であった  

あるいは、神を模倣して造られた【人間】の本質が【冷血】そのものである・・・
そう云いたげな悲しい結末。


自分の生まれ育った環境、運命を呪う人がいるとしたら、
「冷血」という作品を知れば、過ちを犯すその手を止めることができるかもしれない。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
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