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レニ

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DIE MACHT DER BILDER: LENI RIEFENSTAHL/THE WONDERFUL HORRIBLE LIFE OF LENI RIEFENSTAHL

182

bakeneko

5.0

ネタバレ天才は消し去れない

亡くなる直前の101歳まで製作活動を行った:美人女優→ナチス御用達の映画監督→アフリカ.スーダンのヌバ族&海中写真家として、天才的な作品を残した伝説の女性レニ・リーフェンシュタールの“存命中に創られたドキュメンタリー”で、本人の出演とナレーションも興味深い“人間&時代&文化ドキュメンタリー”の驚愕の傑作であります。 敗戦後全ての“戦争プロパガンダ製作者”が、無罪放免となって今度は“民主主義礼賛”作品を量産しても何も問題がなかった日本と異なり、戦後のドイツでは多くの芸術家や映画人が活躍の場を奪われています。特に“映画”を重視したナチス政権の元で“悪魔的な魅力を持つ傑作”を創ってしまったレニ・リーフェンシュタールは、製作の場を完全に奪われてしまいます。本作は戦前戦中の華やかな時だけでは終わらなかった天才の戦後の復活のバイタリティに瞠目させられると共に“芸術の社会への勝利”を見届けるドキュメンタリーであります。 ヒロインの“常人の3倍以上の密度の数奇な運命”に、3時間の上映時間があっという間に過ぎていく作品で、 ファンク監督の山岳映画を中心に“美人女優”として活躍していた際の“体を張った撮影”エピソードや、ドイツ映画界の華としての“ディートリッヒとの対決“の思い出。 「意志の勝利」や「民族の祭典」等の記録映画を創る際の、芸術的工夫とナチス中枢部とのやりとり。 公職追放後の写真家としての一からの出発。 を多くの歴史的な裏話で驚かせながら見せてくれます。 そして、主人公の“幾つになっても挑戦する姿勢とバイタリティ”には、“人間の限りない可能性”の実際で驚かされるのであります。 戦前の山岳映画やドイツ映画の名匠の作品を観ている方、ナチスドイツとその時代の映画に興味のある方、カメラが趣味の方、水中ダイビング撮影をされる方..等多くの方が、“製作者側&内側からの視点”を知ることのできる興味深い作品であると共に、“才能は抹殺できない”事を示している映画であります。 ねたばれ? 1、100歳のときに現役の映画監督として復帰した「ワンダー・アンダー・ウォーター 原色の海」も傑作海洋ドキュメンタリーで、その映像美には凡百の記録映画にはないセンスが輝いています。 2、数々の恋愛をして、最後に30歳も年下の男性(有能なカメラマン)と添い遂げた点でも、“最強の女性”ですな。

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