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レベッカ

レベッカ

REBECCA

130

ムービークリニック

5.0

ほし いつつ

ヒッチコックのハリウッド進出作品第一号。とても力が入ってる感じがする。 モンテカルロのホテルでの出会いからイギリスの邸宅、海岸の家から裁判所まで、ヒッチコック作品はどちらかといえば閉鎖空間ぎみになる映像が、今回はスケール感が増していた。 物語は、前半は出会いとどちらも影のある人物描写の連続。動きが少なく、これはサイコスリラー作品というものになるのかわからない展開。 後半からのイギリス邸宅に着いても、無愛想でやや不気味な前妻の使用人ダンバースが恐怖といえばそうとも捉えられる。 しかし事件は起こらない。 だがこの何が起こる?という不安感がものすごい。観てる方のプレッシャーがとても大きくなる。 海岸の家の発見から事態が大きく動いていく。 嫌がらせを受ける後妻役のジョーン・フォンテイン、大金持ちの夫の短気と精神の不安定、裏で動きを見せるダンバース使用人。 この図式がこの物語の流れだったと思ったら、船の難破事故から見事にこれを覆す驚き。 この大きな動きが真骨頂でした。 嫌がらせを受け、自殺まで迫られる主人公の後妻は、今度は違う立場になる。 善人だったが今度は悪になる。 主人公だけではなく、殺された人物もそうである。 夫の秘密が分かったあと、後半ではそれぞれの立場が入り乱れ、法廷駆け引きから陰謀や脅迫、買収や誤魔化し。 ものすごい怒涛の展開に手に汗握る。 最後のダンバース使用人の前妻愛による執念がものすごく怖かった。ラストシーンの屋敷に佇む影は、もう恐怖である。 ただ使用人は、前妻の正体をわかっていたのかどうかの謎はとても興味深い。 ヒッチコックはダンバース使用人を、突然主人公の後ろに現れたり、気がつくと去っていたり、意識的に幽霊をイメージしたようで、見事に恐怖感を煽っていました。 1940年アカデミー作品賞。納得ですね。

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