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レベッカ

レベッカ

REBECCA

130

shoko

4.0

ネットフリックス版との比較

先日、ネットフリックスで2020年製作の「レベッカ」をみたあと、ヒッチコック監督が1940年に「レベッカ」を作っていたことを初めて知り、鑑賞しました。 80年前とは、ずいぶん昔の映画だったんですね。 原作は1938年に発表された英国の人気小説です。 2020年版は映像がきれいで、美男子アーミー・ハマーや、リリー・ジェームズ、クリステン・スコット・トーマスなど、有名どころが出演しているので興味をもちましたが、なんだかシーン展開があるたびに違うジャンルの映画をみているような、不思議さがありました。 はじめは「フィフィティシェイズ」的なハーレークインロマンス、次にゴシック・スリラーになり、それがサスペンス・ミステリーと変わり、最後は強い女の活躍、みたいな。 こちらの方は本来のゴシックロマン/ミステリーらしいつくりで、統一感があり、ネットフリックス版に感じた違和感はありません。 当時の映画作品の倫理観で殺人を事故にしなくてはならなかったそうですが、それは仕方ないことなので許容。 ネットフリックス版では主人公が探偵もどきの活躍をするところと、最後のシーンのリリーさんの不敵な表情が現代的価値観がみえて好きではなかったのですが、こちらはちょっと尺が長いことをのぞけば、普通に面白い作品だと思います。 私がなじんだヒッチコックらしさはあまりないと思ったのですが、白黒映像の光や影の使い方や構成にヒッチコックを感じます。 ひとつ気になったのは音楽で、この時代の映画音楽はみんなそうだったのかもしれませんが、変にひょうきんでコミカルだと思ったら、数秒後すぐにドラマチックに変わったりして、人物の気持ちの変化をそこまですべてオーケストラが表現しなくてもいいのに、と感じました。 これはサイレント時代の影響なのかな。 そういう面ではやはり2020年版は洗練された映画作りです。 役者さんに関してはローレンス・オリヴィエとアーミー・ハマー、どちらが適役かといえば、ローレンス。 リリー・ジェームスもなんだか鼻についたので、こちらのジョーン・フォンティーンの方が私は好きです。 階級の違う大金持ちと結婚してしまって、地味で間違ったことばかりしておどおどしているはじめの印象から、謎があかされてからの外見や雰囲気の違いはさすがハリウッド女優で、役柄にあっていると思いました。 ローレンスは当時結婚していたビビアン・リーにこの役をして欲しかったので、撮影中ジョーンさんにつめたかったそうで、それを知ったヒッチコックは他のスタッフにもジョーンさんに冷たくするように指示したそう。 たしかにそれが功を奏した演技になっているかもしれません。 ちょっとかわいそうですが。 ジョーンさんは東京生まれで、お姉さんは「風と共に去りぬ」のオリヴィア・デ・ハヴィランド。 姉妹は仲が悪かったことなど、今回調べて初めて知りました。 お屋敷の家政婦頭のダンヴァース夫人はネットフリックス版のクリステン・スコット・トーマスもこちらのジュディス・アンダーソンも、どちらも良い! ヒロインを苦しめる嫌な役だけど、役者にしたらやりがいのある美味しい役かもしれません。 そんなジュディスさんはなんと私の住む南オーストラリア州アデレード出身と知って、びっくり。親近感増しました〜。 まとめとして、ヒッチコック版の方に軍杯は上がりますが、ネットフリックス版を見なければこちらの作品を知ることもなかったし、比較したことでわかる良さもあると思うので、楽しい映画鑑賞になりました。 どちらの映画もそうですが、どんな人か一番みたい気持ちになったのは、表題のレベッカ、その人です。やはり原作がいいんでしょうね。

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