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ロイドの要心無用

ロイドの要心無用

SAFETY LAST!

60

nuk********

4.0

視聴者に近いロイド

時計のスタントシーンで有名なハロルド・ロイドの傑作喜劇。 その名シーンが後世に多大な影響を与えたのは言わずもがな。 私はその名シーンを一度拝んでおこうと観たのですが、そこに至るまでが面白い。 話の後半にハロルド・ロイド演じる主人公がスパイダーマンみたいにビルによじ登ることになるのですが、話の前半はどうして彼が登らなくてはいけなくなったのかの経緯を丁寧にユーモラスに描いています。個人的にコートに隠れるシーンに笑いました。 そしていざビルを登り始めると、一階ごとに彼に試練が襲いかかるのです。意地悪なくらいに彼を襲う多種多様の試練にハラハラしながらも面白い。 そしててっぺんで彼を待っていたのは… ロイドの喜劇は都会を舞台にしているのが特徴の一つと言います。 今作のロイドもデパートに勤めるサラリーマンであくせく働く一市民。チャップリンやキートンに比べて主人公の人物像が我々視聴者に近いのに親近感が持てます。見栄を張ったり、お金に困ったり、友達とふざけたり、ちゃっかり自分だけ逃げたり。各々のエピソードがリアルでも見かけるような共感できるものか多かったのが興味深かったです。 対してチャップリンはストーリーも演出もドラマティックでキートンは漫画的だなと思いました。三者三様の魅力がありますね。 また三人が演じる主人公は、チャップリンはおちゃめ、キートンは奇人、ロイドはちゃっかりでおっちょこちょいな感じがして、サイレント映画なのに個性を出すのが巧いなと唸らざるをえません。

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