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ロイドの要心無用

ロイドの要心無用

SAFETY LAST!

60

bakeneko

5.0

ネタバレCG&命綱無しの本気スタント!

ハロルド・ロイドの代表作にしてサイレント期のアクション喜劇の金字塔的作品で、“誤魔化し無しの超絶スタント“は現在の映画の水準でも手に汗握る緊迫感を愉しませてくれます。 「プロジェクトA」や「ルパン三世カリオストロの城」等に“時計台のシーン”が数限りなく引用されているロイドの代名詞的傑作で、 うだつの上がらないデパート店員が画期的な宣伝方法として“12階立て高層ビルの外壁を登るパフォーマンス”を考え付くが、頼りにしていた高層建築工員の友人がトラブルに遭ってしまい急遽自分自身が危険なクライミングをする羽目になる―というストーリーで、終盤のビル登攀シークエンスのスリル感は現在のアクション映画にも引き継がれています。 本作に触発されたのか1920年代後半には、ライバルの喜劇役者達による(下手をしたら死ぬんじゃない?!)-と観客をハラハラさせる喜劇アクションの傑作が生み出されていきます。 命綱なしの地上15mの綱渡り―「チャップリンのサーカス」(1928年)、 転がってくる大岩を避けながらの急坂降下―「キートンのセブンチャンス」(1925年)、 等がそれで、“体を張ったアクションが観客を最も惹きつける“―と言う原則は、現在の「ミッションインポッシブル」のトム・クルーズらの奮闘に引き継がれています。 中盤まで“田舎から出てきたデパート従業員青年の頓智を効かせた奮闘”を、小ネタの連続で見せた後、ロングシークエンスで怒涛のアクションを展開する作劇となっていて、各階に待ち受けるハプニングの釣瓶打ちは「死亡遊戯」等の“階層アクション”の嚆矢とも考えることができます。 現在のアクション映画の水準に照らし合わせても“十二分に迫力満点”の本気アクションに手に汗握る作品で、ビルの上階に進むにつれて“主人公の背景の人々が小さくなる”誤魔化し無しの危ないショットには“本物の持つ凄み”を満喫できますよ! ねたばれ? 題名である“Safety Last!”は、工事現場などの看板の定型句である“safety first!”(安全最優先!)を捩ったものであります。

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