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ロイ・ビーン

ロイ・ビーン

THE LIFE AND TIMES OF JUDGE ROY BEAN

124

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4.0

異色のウエスタン

舞台は、19世紀末の西部。今だ未開の荒野広がるテキサスを舞台に、自らを法の番人と名乗る殺し屋判事ロイ・ビーン(ポール・ニューマン)を描いた異色ウエスタン。 あまりウエスタンには、馴染みがないのですがお気レビの部下Aさんのレビューで興味を惹かれたので見ました。気になっていたけどまだ作品を見ていなかったポール・ニューマンの出演作に初挑戦です。 まず第一にこの映画の魅力は、ポール・ニューマン。本当に男の中の男って感じがします。とにかく良い男です。アクションも様になりますが、どこか笑いを誘うコミカルな味わいもあり、なおかつ恋する男(特にリリーさんへの思い)の純情な姿も実に様になっています。まさにハマリ役、この役はニューマン以外には考えられないと思います。特にそれを感じたのは、ひょんな出会いを果たした「クマ公」との一連のシーン。突如やってきたクマに嫌な顔をしつつも固い絆で結ばれて行く様子が実に良いです。最後、この熊はビーンを狙う暗殺者と戦い、わが身を犠牲にすることになります。この時のビーンの本当に無念な表情に何ともホロリとします。立派な墓を建ててやる所など、ビーンの優しさがにじみ出ていて実に良いシーンでした。ニューマンの巧みな演技力を垣間見ることができました。 そして、印象深いのはロイ・ビーンを通じてアメリカ西部の時代の流れを描いた点。荒涼とした砂漠が広がる大地が徐々に町ができ、やがて石油が出てくるようになり、劇的な変化を遂げる所をロイ・ビーンの人生と重ねあわせ、やがてやってくる20世紀という非常に変化の激しい社会に抵抗しながらも徐々に時代に飲み込まれるビーンの姿を哀愁を持って描いています。この脚本の深さもまたこの映画の魅力と言えるでしょう。 一人の魅力的な男の人生を勇壮にそして哀感を持って描いた異色のウエスタン。ポール・ニューマンは、文句なく良い男です。 <ジャージー・リリー> ロイ・ビーンの永遠の憧れとなる女優リリー・ラングトリー。ジャージーとは、1853年にリリーが生まれた島ジャージー島(英仏海峡にあります)のシンボルであるアマリリス(ジャージー・リリーというそうです)からきています。ロイ・ビーンがテキサスの田舎を駆け回っていた頃、リリーはイギリスを代表する女優であると同時に、プレイボーイで名を馳せたイギリス皇太子(後のエドワード7世)の愛人としても知られていました。しかし、そういう立場でありながら彼女は人柄の確かさと美しさでイギリスの上流階級からも尊敬を集めました。彼女に魅せられた人の中には、皇太子妃アレキサンドラと厳格で有名だった皇太子の母ヴィクトリア女王もいました。イギリス王室とのつながりは長く続き、エドワード7世の息子ジョージ5世の代になっても彼女は王室のお茶会などの常連だったそうです。

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