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牢獄 (1949)

THE DEVIL'S WANTON/FANGELSE/PRISON

監督
イングマール・ベルイマン
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4.00 / 評価:3件

悪魔に地上支配を任せると…

  • bakeneko さん
  • 2018年12月4日 14時38分
  • 閲覧数 143
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

イングマール・ベルイマンが自身の脚本を初めて監督した作品で、神の不在というライフテーマ、人間のエゴイズム心理の鋭利な解剖、劇中劇の多重階層性、幻想場面のシュール寓意性…といったトレードマーク的なモチーフが既に出現しています。

映画監督の仕事現場を訪れた高校時代の恩師が、自分の暖めている映画の企画=“神が存在しなくて、悪魔が世界を動かしている状況“を説明することから始まって、映画つくりの現場の脚本家の恋愛トラブルと脚本のお話中で展開する若い女性の転落記を重ね合わせて、虚構と現実を邂逅させつつ、更に劇中の登場人物が眺めるスラップスティック映画や劇中人物が視た幻想シーンを加えたメタ階層性ドラマで、メインとなる2組の男女の心の動きと運命の流転を冷徹に見つめて、”悪魔が管理する牢獄=私たちが生きている現実“という真理を浮かび上がらせてゆきます。

劇中劇の深刻な場面で息詰まると映画つくりの現場へ飛ぶ=階層転換を挟むことで、観る者の気分転換を図りながら、同時に人間の足掻きを俯瞰する-“悪魔の眼”視点を共体験させている作劇となっていて、
後年のベルイマン作品の“統一されたトーンで語られる隙の無い現実劇”に比べて、物語世界の階層転換を多用することで深刻度を意識的に薄めている=“あまり苛烈な劇をストレートに見せると観客がしんどいのでは?”という忖度に、まだ自身の作風に万全の自信の無かった頃のベルイマンの可愛らしさを見つけることが出来ます。

見事なカット編集と変幻自在の場面転換、厳しい人間洞察と深層心理を具現化した幻想シーン…と、ベルイマン作劇が確立した作品で、恩師が語る“悪魔の地上経営方針”には頷けるところが多いですよ!

ねたばれ?
劇中のカップルが廻して観ているスラップスティック映画は、後に「仮面 ペルソナ」にも重要な暗喩として再用されていますよ!

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